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[UnitedStates,ProgressiveMetalcore/Djent]
01.Dreamcatcher
02.Warrior
03.Lights City
04.Our Translucent Forever
05.Moments of Clarity
USの叙情系プログレッシブメタルコアERRAからギターとボーカルが脱退し新ボーカル加入。そしてPeriphery、Animals As Leadersらの所属するSumerian Recordsから新体制での初EP「Moments of Clarity」をリリースということでERRAいこっちゃですね。
ERRAは初作「Impulse」で叙情系ハードコアとジェントをクロスオーバーさせ、前作「Augment」ではその叙情系プログレッシブメタルコアとでも呼べるサウンドをさらにレベルアップさせた傑作を作り上げました。彼らによってこの手のサウンドが完成されてしまったためか、現在のシーンはクリーンボーカルR&B化やニューメタル要素を取り入れる方向へと進んでいます。
しかしERRAは本作でもう一度「Impulse」時代のサウンドを最前線に持ってくるかのようなジェントジェントしたEPを作り上げてきました。
プログレッシブな曲展開とそれまでの空気を一新させるハイトーンクリーンボーカルというERRA印なサウンドは先行公開された「Dreamcatcher」が象徴的。新ボーカルによってサウンドに重みが増したように感じますね、それにしても新ボーカルさん1人くらいは殺めてそうな雰囲気あります。続く「Warrior」ではこれでもかと刻み倒すアグレッシブなキュキュっとジェント。美しい叙情性溢れる「Our Translucent Forever」に到っては序盤で刻みたい気持ちが強すぎて音がついてこれてないですしね?? シンプルな「Lights City」や、幻想的なシンガロングパートを取り入れた「Moments of Clarity」という2曲はわざとらしさを感じる曲展開で少し新鮮でした。
曲単位で触れてはみましたがERRAのアルバムはどの曲が良いとかではなく、一枚を通してERRAの音にどっぷりと浸かってギターとクリーンボーカルを楽しむようなものだと思ってますけどね。
今年リリースされたアルバムの中ではベストな内容ではあるものの、前作で見せられた誰も追いつけないような到達点の更新とはならなかったように思います。しかし彼らはその高いハードルを課すべき存在だし、彼らがそれを更新し続けてくれなければこのシーンを追いかける意味がなくなってしまいます。シーンの先端ではなくなったサウンドを続けても時代遅れと言われず、アルバム的にはベストな内容なのにも関わらず満足されない。本作がやや期待外れのEPとなったことによって改めて彼らはシーン云々で語れない別格な存在だということが証明されたようにすら感じます。