Piano「Salvage Architecture」 | Rotten Apple

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[UnitedKingdom,Emo]

01.Inspire
02.Expire
03.Disappearing Ink
04.Scalene
05.Forensics
06.Dust To Dust
07.Neptune
08.Nostalgia Is A Weapon
09.Ruin Ethics
10.In Memoriam


ZESTONE RECORDS所属UKのPiano 6年ぶりのアルバム。インテリジェンス・プログレシッブ・エモ、またはポッシュ・エクスペリメンタル・エモ。誰かがそんな仰々しいジャンル名を付けたのは、エモというカテゴライズなのは間違いないけれど、そこに収めるにはスケールが桁違いすぎるという思いを持っていたからなんだろう。

まずはMVにもなっている優美な「Disappearing Ink」を。またはアグレッシブなサウンドが好みなら「Nostalgia Is A Weapon」や「Forensics」が良いかもしれない。
スケール感のあるプログレッシブな展開はありつつも、ウェットなボーカルと心をかき乱すサウンドは00年代エモ/スクリーモそのものだ。これを聞けばあの仰々しいジャンル名をつけたくなるのも納得する。SaosinSecret And Whisperに代表される所謂"スクリームのないスクリーモ"は何故この方向に進まなかったのだろう。当時こういうアルバムが出ていれば今の状況は大きく変わっていたのかもしれない。

しかしあの時代ではしょうがないと思ってしまう気持ちもある。ファッション性ばかり取りざたされ、メインストリームから名指しで批判されることも多かった。とにかくエモは嫌われていた。
その流れを断ち切るかのようにエモは急速にポストハードコアやメタルコアとクロスオーバーし、シーンのトップを走っていたバンドは脱エモをすることによって評価された。それらしきエモーショナルなサウンドのバンドを今はメロディックハードコア(叙情系)と呼び、自らエモを名乗るバンドはほとんどいなくなった。

しかしこのアルバムを聞き終わったときにこう思えた。
僕らの青春そのものだったエモ/スクリーモはポストハードコアやメタルコアとの邂逅がなくともこれほどまでにかっこいいじゃないか。

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