山口百恵さんの文章の凄み…そう、『蒼い時』。
こんにちは、【IT&経営系】 編集兼ライター 西山毅(にしやまたけし)です。
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今日は【編集者の視点】から。昨日書こうと思っていたテーマです。
発端は、今、進行中のお仕事。
計15名の方が書いた原稿を編集、リライトして、1冊の本を出版するというものです。
商業出版ではなく自費出版。いわゆる企業の “啓蒙ツール” としての役割を担った書籍です。
文章も十人十色。いや15名いらっしゃるので、十五人十五色でしょうか。
丁寧に言葉を綴って、何とか伝えようとされている文章。
ほとばしる思いを押さえ切れず、同じ記述を繰り返されている文章。
詳しく説明されようとする余り、少し専門的になり過ぎている文章。
書いた方の “人となり” がとてもよく分かります。
そこでふと頭に浮かんだのが、
過去に読んだ山口百恵さんのこの本(↓)でした。
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百恵さんは我々の世代にはドンピシャ!のアイドル。といっても当時は淳子ちゃん派だったのですが(笑)。
『蒼い時』を読んだのも、ここ数年のこと。きっかけはベスト盤を買ったか何かだったと思います。
“ お、あれ? 今でも繰り返し、聴ける!” 即、iPodに取り込みました。
懐かしさはあるけど、一度聴いて、終わりじゃない!!
そこから山口百恵という人に今さらながらに興味が湧き、『蒼い時』を購入したのです。
いわゆるタレント本は、大体ゴーストライターが書かれていますよね。読めば分かります。
簡潔な文章で要点がまとめられ、流れるように字面を追うことができます。
反面、分かりやすさに重点が置かれるため、どうしても平坦で特徴のない文章になってしまいます。
『蒼い時』を手にした時も、ひょっとしてゴーストかなと思っていたのですが、間違いなくご本人が書かれたものでした。読めば分かるとしか言いようがありません。
何よりも私が驚愕したのは、百恵さんがこの文章を書かれたのが、21歳の時だったということ。
一個の人格として、あまりにも完成されているという印象でした。 “ え、これが21歳の女性の文章!?” という感じ。
特に少女時代から途切れることのない父親への激情は、読んでいる者の生半可な感情移入など、一切受け付けてはくれない近寄りがたさがありました。
百恵さんの気性の激しさを如実に物語っている箇所です。
まさに “自分の言葉” で綴られた文章の凄みですね。
次に私が思い至ったのは、この本が出版されて20年以上も経っているのに、絶版になっていないという事実。
そして20年も経っているのなら、過去の感情に変化があっても不思議ではなく、それなら記述を変更した改訂版が出されていてもおかしくはないということ。
でも私が読んだ『蒼い時』には、当時の百恵さんの気持ちがそのままに綴られていました。
何も変わっていないのでしょう、きっと。
いや変わったけれども、当時の自分の気持ちはそのまま、本の中に留め置かれているのでしょうか。
私は “ 睡眠導入剤 ” として読むのを止めました(笑)。
ダメだ、もっときちんと向き合わないと。
この本には結婚、引退を決めた山口百恵の「覚悟」が詰まっている!
著者の分身となった言葉の持つ迫力は、読み手を圧倒します。
眠たくなるどころか、どんどん目が冴えてくるのです。そしてついには
“ もう一度、あなたに会いたい!”
となります(笑)。
複数の方の文章を編集していて、百恵さんの文章に “ 惚れた ” ことを思い出しました。
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