ポピュリズム台頭に懸念 ダボス会議(1月18日日本経済新聞) 

 

(1)【ダボス(スイス東部)=原克彦】

世界各国の政府要人や多国籍企業の経営者らが集う世界経済フォーラムの年次総会が17日、開幕した。

約3千人に上る参加者らは2、グローバル化やエスタブリッシュメント(支配階層)への反感から自国優先になりがちな「内向きな世界」への処方箋を探ることになる。

 

(2)トランプ政権陣営の参加者は政権移行チーム幹部のスカラムッチ氏1人。

欧州統合の要となるドイツのメルケル首相も2年連続で出席しない。

一方で、今年のダボス会議は開始前から中国の習近平国家主席の参加が話題を集めた。

<習主席が何を言おうが、共産党独裁国家がその時その時で、自分に都合のいいことをいっている、としか受け止められないに違いない。一番いい例が社会主義的市場経済や、中国が一番無視している「民族自決主義」。>

 

(3)経営者からは開幕前や開幕直後に危機感のこもった発言が相次いでいる。

スイス金融大手UBSの最高経営責任者(CEO)は「なぜポピュリズム(大衆迎合主義)に傾くか、に耳を傾ける必要がある」

米銀大手バンク・オブ・アメリカのCEOは「国、経済は成長しなくてはならない。正しいあり方でだ」そして「みんなを包み込んだ形でなくてはいけない」と付け加えた。

 

(4)前年の「第4次産業革命」に続き、情報技術などの発達による雇用への影響なども重要な議題になる。

「技術がすべての産業と職業を揺るがしている」「仕事が変わり、失われ、進化していく」ことへの問題意識が重要になると話した。