個人型DC、「現役」ほぼ対象(9月23日日本経済新聞) 

掛け金は非課税 老後の蓄え、後押し 

 

(1)個人が毎月掛け金を出し、運用次第で老後の年金の額が変わる個人型確定拠出年金(DC)。

法改正で来年からは現役世代の大半の人が使えるようになる。

 

(2)個人型DCを一言で説明すると「老後資金を積み立てながら現在の税金を軽減してくれる」というお得な制度。

愛称が、「iDeCo(イデコ)」。

 

(3)企業年金のない会社員の掛け金の上限額は毎月2万3000円、年間で27万6000円。

この人の所得税・住民税の合計税率が20%(復興税を除く)だった場合、27万6000円分にかかるはずだった20%分の税金、5万5200円が節税でき、年末調整などで返ってくる。

 

(4)自分で銀行、証券、保険会社などに申し込み、掛け金を運用。

運用期間中は運用益に課税されないので、課税口座より資金を増やしやすい。

受給は原則60歳からだが、一時金として引き出す・年金として受給・その併用が選択できる。

一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除という税制優遇があり、受給時も税金が非課税か少額ですむ。

 

(5)制度の導入は2001年で、現在の加入者はまだ27万人(6月末)と対象者の1%未満だ。

来年から新たに対象になるのは、企業年金のある会社員、公務員、主婦など計2600万人。

それぞれに掛け金の上限額がある。

ただ原則的に会社が掛け金を出す企業型DCを導入している企業では、企業型DCの掛け金を一定以下に規約変更をしないと,そこの社員は個人型DCは利用できない。

 

(6)公的年金は、財政難から実質減額が見込まれている。

法改正は、国民が個人型DCを通じて自助努力で老後資金を増やすことを促す狙いがある。

米国にも個人型DCと類似した個人退職勘定(IRA)という仕組み。

普及しなかったが、1981年に原則誰でも入れるようにした後で急速に広がり、現在は老後資金の要になっている。