4/30放映分「ウサギが笑った」他 | 週刊サザエさん

4/30放映分「ウサギが笑った」他

●『カツオ立たされ日和』脚本:雪室俊一


 いつも立たされているカツオを無邪気に見習うイクラ。
 そこでカツオはイクラを巻き込んで磯野家脱出を図る。


 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 最近、カツオメインの話がやたら多いですね。自分から動いて物語を作るタイプのキャラクターなので、作る側からしてみれば動かしやすいのでしょうか。


 庭にチューリップ畑を作っているカツオ。しかし、ふと思う事があって落とし穴掘りに切り替えます。しばらくしてから見事に落ちるサザエを見て「気が変わったんだよ」と笑うカツオ。掘る方も掘る方ですが、あっけなくハマる方もハマる方です。そして、タイトルバックで繰り広げられる2人の追いかけっこ。サザエがカツオを投げ縄で(笑)捕まえます。


 罰として玄関に立たされているカツオ。学校と違ってすぐに逃げられそうなものを律儀に立っているカツオがいじらしいです。その後、ノリスケに連れられて磯野家に訪れたイクラがさも珍しいものを見たかのようにカツオと一緒に嬉しそうに立たされます。「余計に目立っちゃう」とカツオはやや迷惑そう。


 とは言え、不利な状況を機転で一気に有利に変える所がカツオの真骨頂。そのまま、イクラを連れて立たされ地獄から脱出します。向かう先は波野家。ノリスケが磯野家に来ているという事は、優しいタイ子おばちゃんに匿ってもらえるであろう計算です。

 しかし、タイコおばちゃんは外出中(※1)。ところが、運をも引き寄せる辺りがカツオの才能。丁度、忘れ物を取りに帰って来たタイコおばちゃんと遭遇いたしまして、そのまま留守番を任される事になります。


 一方、磯野家ではカツオとイクラが行方不明になった事で不穏な空気・・・なぞは微塵もなく「カツオくんと一緒だから大丈夫ですよ」とノリスケに至ってはお気楽気分。さすがB型。更にそこにカツオが手配したビールがケースで届けられます。大人たちを酔っ払わせて、気分を大きくさせた所で帰ろうと言うまるでヤマタノオロチに酒を飲ませて退治したスサノオノミコト並のカツオの戦略。しかも、きっと波野家に隠れているのだろうと察したサザエの電話にも出ない徹底ぶり(※2)。世が世ならきっと中国大陸を統一していたのではないかと思わせるカツオの策略家ぶりが爆発します。


 そんな波野家にひょっこり現れるタラヲ。(カツオ曰く)抜群のカンを誇るタラヲは2人が波野家に隠れている事を見抜いていたのでした。そして、カツオ、タラヲ、イクラの3人はカツオが作る超絶料理の数々(後述)を味わいます。


 しかし、タイコおばちゃんが磯野家に電話をした事でカツオの隠れ場所が遂に発覚。カツオの思惑通りにビールを飲んだものの、ビール2本くらいでは潰れなかった波平の「バカモン!」が炸裂します。ところがそんなカツオに援軍が続々。「お父さん達がビールを飲んでいる間にお兄ちゃんはイクラちゃんの世話をしていたのよ」と言うワカメや、波平と一緒にビールを飲んでいたマスオの「許してやってください」と言う言葉に、遂に波平も「お前は味方がいっぱいいていいな」と陥落いたします(※3)。

 ここまでカツオが計算していたのでは?と考えると、あな恐ろしきカツオの周到さです。確かに子供達が行方不明になったのに暢気にビール飲んでいるんだものな、ここの大人たちは。酔う酔わないは関係なく、飲んだ時点で波平の敗北です。


 ラストは玄関に立たされているカツオ、タラヲ、イクラの3人が、揃って一番星を見つけて終わりです。確かに逃げたカツオも悪いですが、カツオの策略とは言え、昼間っから子供達を放っておいてビールを飲んでいた波平たちの方がイメージ悪いですよね。常識人は波野家に勇躍乗り込んできたサザエくらいしかおらんのか。


※1
 だからこそ、ノリスケはイクラを連れて磯野家に訪れたわけでして。カツオらしからぬミス。

※2
 ベルが鳴り響く電話に座布団をかぶせて「電話もお休みさせなきゃ」とイクラに疑問を抱かせないカツオのファインプレー。

※3
 波平は会社ではオカマのオカジマさんしか味方が居なさそう。


○サンドイッチ、ギューダー(カツオの手料理)

 げに恐るべきカツオ手製の料理の数々。
 まずはサンドイッチ。カツオのセリフ曰く「バターとジャムを乗せてハムとトマトの特製サンドだ」・・・ふむふむ、まあ、サンドイッチ・・・って、おいおい、ジャムって何だよ?(笑)ただ、パンはちょっと小麦色が入っていて全粒粉っぽい感じです。さすが、磯野家とはパンの質が違う。


 ギューダーは牛乳をサイダーで割った一品。藤子不二雄の「まんが道」におけるチューダー(焼酎のサイダー割り)に倣ってワタシが勝手に命名。未知数の味ですが、イクラは気に入ったらしく全部飲み干します。ただ、コーラの牛乳割りって結構美味しいのですよ。だから、案外、イケるのかも知れません。
 さすがに試す気はないのですが、ちょっと調べてみたら検索に引っかかる事引っかかる事。例えば、ここ。


http://www.kohseis.co.jp/club/info/info24.html
(ベジレンド倶楽部・食の豆知識)


 牛乳をサイダーで割って飲むと、美味しく飲めますなる一文が。ワタシにしてみれば「ミックス!」と称してその場にある酒を全て混ぜて飲む、学生の頃の飲み会のようにしか思えませんでしたがねえ。


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●『ウサギが笑った』脚本:雪室俊一


 ウサギを怖がる超絶美少女浅沼さん。
 そんな彼女のために一肌脱いだカツオの活躍が始まる。


 ストーリー作品。カツオチャッカリ型。
 デザイン的に浅沼さんが美少女がどうかは疑問が残るところですが、カツオの惚れ具合から見て、一応、そういう前提で進めます。個人的には10分間、大爆笑の連続でした。後半に登場する花沢武装形態は一見の価値あり。


 朝が弱いはずのカツオですが、今日は早起きして朝食をかっ込んでおります。何でも、学校で飼っているウサギの飼育当番に当たっているとか。その話を聞いて一緒に行きたがるワカメとタラヲですが、なぜかカツオは頑なに拒みます。


 早朝の学校。こまめにウサギ小屋の掃除をするカツオですが、その影に何かに怯える1人の美少女の姿が。彼女の名前は浅沼さん。髪をアップにしてリボンをつけた可愛い女の子です。
 実は本当は浅沼さんが飼育当番なのですが、彼女は「目が怒っているみたい」と言う理由でウサギが苦手。そこで、他のクラスにも拘らずカツオが当番を買って出たというわけです。
 「ほらこのウサギ笑っているよ」と言うカツオですが、浅沼さんにはそれがわかりません。て言うか、タマみたいな感情表現豊かな猫と一緒に暮らしているカツオにしかわかりませんがな。


 なぜ、5年1組の浅沼さんと3組のカツオが知り合ったのかは脳内保管するしかありませんが、とりあえず、カツオに下心がある事は間違いありません。そして、浅沼さんは自分の代わりにウサギ小屋の掃除をしてくれた事に感謝して、カツオにクッキーを贈ります(ただしママの手製)。カツオに対する浅沼さんの好感度が上がった、ピロロン♪


 一方、カツオの不審な行動に疑問を抱いたサザエは、実はカツオが当番ではない事を花沢から聞き出します。そして、サザエと花沢に詰問されるカツオ。花沢は独自の調査網(さすが不動産屋)を用いて、今週の当番に当たっている人間はオオホリと言う5年1組のボス的存在である事を掴みます。え?と思うカツオですが、花沢の「無理やり当番変わるように脅されたんでしょう?」と言う決め付けに対して、「彼はウサギが苦手なんで代わってあげているんだ」と言い訳をします。ごっつい番長と可憐な美少女との違いはありますが、まあ、当たりと言えば当たり。イメージで登場してきたオオホリくん(カツオを締め上げているイメージ)がクッキーを焼いている姿を想像すると笑えますな。


 ゴーイングマイウェイ花沢はカツオの言い訳を信じずに「今日は私が一緒に行って上げる」と打倒オオホリに燃え上がります。花沢の気迫に飲み込まれたカツオは断りきれなかったため、浅沼さんの家に出かけていつもより1時間早く(花沢とかち合わないために)ウサギ小屋の掃除に出かける約束を取り付けます。てか、もう既に浅沼さんの住所を把握しているとは、カツオ恐るべし。世が世なら、携帯のメルアドなんてとっくに交換してるのでしょうね。
 しかし、カツオの失態はこの浅沼さんとの極秘密会をワカメに目撃されてしまった事。そして、これが後々、大ダメージに発展する事に。


 掃除をしながらカツオに真相を語る浅沼さん。実は今週はオオホリくんと浅沼さんのペアが当番であり、オオホリくんはサボっているのだとか。こんな美少女と早朝から2人っきりになれる時間をボイコットするとは、オオホリくんって山崎銀次郎並みの硬派なのでしょうか。


 相変わらずウサギが苦手な浅沼さんですが、カツオの勧めでウサギにニンジンをあげたところ、その目が笑う瞬間を目撃します。「ウサギが笑った!」と喜ぶ浅沼さん。「クララが立った!」と喜ぶハイジですか、あなたは。こうして、浅沼さんのウサギ恐怖症は治ったのでした。


 その帰り、カツオはワカメに捕まります。ワカメはカツオが浅沼さん目当てで当番でもないのにウサギの世話をしている事を見抜いたのです(※1)。真実をバラされたくないカツオに対して、強気に出たワカメは自分が当番であるニワトリ小屋の掃除を口封じとの交換条件に出します。ワカメ、ちょっといやな子です。


 更にその帰りにスリコギに鉢巻と完全武装したアーマード花沢と遭遇。もちろん、花沢は愛する人をいじめる(と思い込んでいる)オオホリを打ち殺すために、修羅の道へと入っていたのです。慌てて、カツオが静止して事無きを得ますが、何か明日から原因不明の大怪我でオオホリくんが学校を休んでいそうで怖いです。


 翌日からウサギ恐怖症の治った浅沼さんは独りでウサギ小屋の掃除が出来るようになりました。ウサギを抱っこできるまでのラブリー度。そんな彼女の様子を遠巻きに見ながら「もっと一緒に居たかった」とカツオがガクーンと落ち込んでエンドです。ウサギじゃなくて浅沼さんを抱きたかったであろうと思われるカツオの失恋劇でした。まあ、これがギャルゲーなら、あそこでウサギにニンジンさえやらなければハッピーエンドだったのかも知れませんね。そして、カツオは花沢ルートへ(笑)


 ラストはニワトリが卵を産まないと悩むワカメ。どうすれば産んでくれるようになるのかあの人に聞いてみよう、とお腹が大きい妊婦に特攻しようとしてカツオが慌ててそれを止めると言うオチです。


※1
 浅沼さんの弟がワカメと同じクラスであるとの事。


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●『連休バンザイ』脚本:城山昇


 ゴールデンウィークも間近。
 子供達はどこに連れて行ってもらえるかウキウキだが、大人達は。。。


 ストーリー作品。波平型。
 この前は花見の場所取りがメインで、肝心の花見が一切描写されませんでしたが、今回もまた連休前の準備が話の大半でした。


 連休にどこかへ行きたいカツオ達。しかし、毎年、腰が重い波平の事「そろそろ交渉しないとトボけられる」と、サザエを巻き込んで直談判に出向く事にします。カツオに交渉と言う面倒な事は任せっきりで、自分はウキウキ気分で洋服選んでいるサザエがさもしいシーン。


 会社で久々の登場となるオカマのオカジマさんと話している波平。「最近、腹だけは貫禄が出てきた」と言う波平に対して、オカマのオカジマさんは連休で子供達に引き回されたら出る腹も(疲れて)引っ込みますよと返します。いや、単に波平のそれはビール腹だろう。


 会社帰りに手帳を拾って交番に届けるマスオ。その中身はゴールデンウィークの予定でギッシリ。ここで初めてマスオはゴールデンウィークが近い事を意識します。


 そんなマスオと波平が駅でばったり。連休の相談をしようと2人で飲みに出かけます。連休前と言うと4月のお給料が出たところだと思うのですが、2人が出かけた所は屋台の焼き鳥屋と言う辺りが何ともしみったれています。オヤジ、もう1本、あの2人につけてやってくれ!と言ってあげたくなります。


 結局、べろべろになって帰ってくる2人。相談していた割には「子供達と相談して決める事にする」と言う結論。飲みに行く口実が欲しかったんじゃないの?と言うサザエの推測はまさに真実です。


 刻々と迫る連休に焦って来たカツオ達は、朝っぱらから波平に直談判しますが、波平は今晩話し合って決めよう、と言います。しかし、波平は上司から取引先への同行を命じられ(多分接待だろうなあ)、マスオはアナゴくんと連休前の麻雀大会と言う事で、今晩も話し合いはキャンセル。いよいよ、切羽詰ってきたカツオは翌日の日曜日に全てを賭ける決意を固めます。


 翌日、波平を叩き起こすカツオ達。そんなカツオに波平は「反射テスト」をやろうと持ちかけます。波平の言葉に対してそのイメージを返すテスト。「富士山」→「高い」と来て「連休」→「混雑」・・・「だから(連休は)寝ていよう」などと言う波平。計算高いカツオが波平に弄ばれた珍しいシーンでした。
 一方、マスオもカツオ達に「時刻表と旅行の本を取ってくれ」と言いながら、それを枕にして眠る始末。大人たち、出かける気なし!と判断したカツオは、一休さん並みにトンチを巡らして最後の勝負に出ます。


 波平に「連休はどこにも行かなくていいよ、体力もお金も使うし」などと言うカツオ。そんなカツオに対して「連休を過ごす体力や経済力くらいある!」と波平は逆ギレ。すっかり、カツオの掌の上で踊らされるいつもの波平に逆戻りです。


 そんなわけで、いつの間にか連休になってどこかに出かける磯野家。その様子を足の爪を切りながら見ていたどこかのオッサンが「遂に連休が始まったか、左足(の爪を切るの)は明日に取っておこう」とグータラする小ネタ。こうして、家族揃って出かける事が出来る幸せと、原作小ネタを絡めた面白い対比ですな。


 さて、肝心の磯野家・・・ジェットコースターに乗ったり、動物園に行ったり、イルカショーを見たり・・・1日で一体どれだけ行ってるんだ!?と思いきや、調べてみたらあるんですよね。この3つのイベントを1つの施設で賄える場所が。


http://www.nankai.co.jp/misaki/index.html
(みさき公園)


 ただ、ここって大阪なんですよね。ノリオくんの家にでも泊まらせてもらったのでしょうか