金利リスクとは
「金利リスクとは」
金利変動に伴い損失が発生するリスク。金利リスクとしては、次の2つが指されることが多い。第1は、資産と負債の金利改定時期が異なる場合に、金利変動に伴い損失が発生するリスク。例えば、銀行が先行き金利低下を見込み、オーバーナイトのコールマネーで資金調達をし、これを基に期間1年の固定金利貸出を行うというミスマッチポジションを造成した場合、予想に反してオーバーナイトの金利が上昇すれば損失を被ることとなる。第2は、金利変動に伴う債券価格の変化が損失をもたらすリスクである。なお、このリスクについては、上記のリスクと区別して価格リスクと呼ばれることも多い。例えば、債券ディーリングにおいて、金利低下を見込んで買い持ちポジションを造成している場合、金利が上昇すると債券価格が下落して損失を被ることとなる。近年の金利自由化、金融国際化の中で金融機関を取り巻く金利リスクは増大している。普通銀行(都銀、地銀、地銀2)は1991年以降長期プライムレートを、94年には住宅ローン金利をそれぞれより調達金利の動きに近い短期プライムレートに連動させているほか、金利スワップ等の活用によって金利リスクのコントロールに努めている。なお、BISでは、銀行経営の健全性維持の観点から、98年度より金利リスクに対する自己資本比率規制を課す一方、銀行サイドでもバリュー・アット・リスク法の採用をはじめとするALM手法の高度化に努めている。