ライブドアのウェブサイトチームを率いているのは同社の副社長である。NHKのカメラが入ったときにコメントを述べていたが、似た部署で仕事をしたことのある経験に照らしても、正直な発言だと確信した。NHKの女性アナウンサーのあからさまな誘導尋問が苛立たしく思えたほどだ。


いわゆる広報畑がウェブを担当することが多いはずだが、ライブドアのような業態だからと言えばいいのか、メーカーのウェブとはわけが違う。それ自体がメール、ブログほか様々な「独立」のサービス機能を備えたポータルサイトだ。yahoo!などはそれだけで事業を展開してきた。広報すなわち事業といっていい。


そのライブドアのニュースページが、自社の不祥事報道の手を抜いていない。

もみ消しどころか、他のメディアが手を染めていない特集で取材記事までアップしている。

これはすでに田原総一郎氏が触れたことではあるが、闇社会との関連について立花隆の発言を引きだして掲載している。

livedoor ニュース - 「LD事件は闇社会へつながる」
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1685426/detail


これがもし報道機関のサイトであった場合、自社の不祥事についてここまでやれるだろうか?

ライブドアという企業の特異性かもしれない。ある種の広報の戦術であるかもしれない。

残った同社への救済の手をあげつつある企業によって勇気づけられた効果もあるかもしれない。

だが考えてみれば株式会社のトップは建前上、株主総会が選ぶ。

創業者であっても基本的な考え方は変わらないとすれば、さほど驚くべきことではないかもしれない。


ポータルサイトの「独立性」について考えさせられる。

そこでは「管理人」が経営者であって、メールなどを使っているユーザが「顧客」である。

直接に「取引」のあるエンドユーザは、ライブドアのような会社にとっては、

ポータルサイトのユーザ以外にはない、と言っても過言ではない。

その延長線上に個人株主が見えていたとすれば少々話は複雑になるのだが。


ライブドアのメール機能やブログの機能などは、あまたある他のサービスに較べても、何の遜色もない。