小笠原 朋子
さくらハイツ102 (1)
さくらハイツ102 (2)
さくらハイツ102 (3)

とにかく4コマのレビューをしようと思ったんですが、完結して長い作品を持ち出さんでも、と自分でも思います。

でもまあ、レビューしたかったんでしょうがないです。

◆ 登場人物と舞台設定


主人公となるのが表紙の2人、恩田園子(26歳)と水野映二(20歳)。

映二は大学に通うかたわらさくらハイツの管理人を務めています。

そのさくらハイツに住む家賃滞納常習犯、そのちゃんこと園子、自称女優。

映二は園子のことが好きで、でも園子は全くそれには気付いてません。

また、園子の弟である和人はいい歳して女優なんて言ってふらふらしている姉が映二とくっついてくれないかなあ、と思っています。

そんな2人(と1人)ですが、さくらハイツの住人として小川さやか(19歳)が途中登場し、映二のことを好きになったりして、そのうえそのさやかが意外に腹の中が黒いような人でこりゃまた大変、みたいな。

4コマの設定をディテールまで語るのはやっぱり間違ってる気がする……

◆ キーとなるその他の設定


・映二は地顔が無愛想、だがおいしいものを食べるといい笑顔になる。

・園子はふらふらしているためお金が無く、家賃を滞納するばかりでなく映二の部屋に上がり込み食品その他までたかっていく。

・映二は親から園子を追い出せ、と言われるが惚れた弱みで追い出せない。

・また、園子は前に住んでいたアパートが燃えたのでさくらハイツに来たという経緯もある。

・映二はどんなにがんばっても家賃の徴収で住人とは顔を合わすことになる。

文章力がないので箇条書きゴメンナサイ。

◆ 定番化しそうな私的4コマ論


前回の重野なおき先生「のの美捜査中!」のレビューで、「のの美~」の特徴は1話完結(数回にまたがることはありますが)型のストーリーに4コマ毎の強いオチ、と書きました。

ただこの「さくらハイツ102」や重野先生の他の作品(「Good Morning ティーチャー」や「僕の彼女はウェートレス」など)もそうですが、4コマ誌連載ストーリー系4コマの一般的な手法としてとられるのが『4コマのフォーマットで作品を展開させながらゆっくりとストーリーを進めていく』というもの。

4コマ界で立場を確立するにつれ、中堅(年齢ではなく人気・キャリア的に)の作家さんたちがとるようになる手法です。

重野先生ほどにはパワーを持った作風とは言えないのですが、ちゃんと堅実に、しかも解りやすく凡庸でないオチをつけその中に恋愛要素(主に映二の葛藤や園子の恋愛無関心ぶりを示すものが多い)を絡めている点が魅力かと。

◆ まとめ~なんか中途半端なレビューになってしまった……


僕が好きになる作品って、往々にして「どこが好き」とプッシュできる点が少なく、全体的な雰囲気とか絵柄とか世界観とか、そういったものに惹きつけられることが多いんです。

で、こんな感じで妙な論理を振り回し、既読の方対象か未読の方対象かよく解らないレビューになってしまうわけです。

でも僕が面白い!と思ったのは事実。是非一度、手にとってみてください。

まったりした雰囲気と小ぎれいな絵柄に惹かれるはずです。