切ないOLに捧ぐ 内館牧子著 講談社文庫

仕事で落ち込んだ時、読みたくなる本が今や知らない人は居ないであろう人気脚本家・内館さんのエッセイ。よく視聴者から「OLの心理をどうしてそんなに上手に描けるんですか?」と聞かれるこのお方、なんとご自身が10年もOLをやっていたそうです。

そもそもこの本を知ったのは『日経WOMAN』での特集がきっかけ。その特集が落ち込んだ時に読む本、みたいな内容だったので、気分が優れない時に読んだら即効で効き目あり。職を変えようと色々チャレンジするけれど、やっぱり才能のある人は一味違うな~という行動ばかり取られていて。相撲が好きだとは聞いていましたが、女人禁制の相撲業界で働く事を夢見る彼女の言動には抱腹絶倒間違い無し!

最終的に、脚本家への道を進み始める内館さんの努力は、ただただ頭が下がります、という感じのもの。前半の、ちょっとズレた自分探しの道のりと、道標が定まってからの行動。最初は笑って、最後は彼女の直向きなパワーを分けて貰える。落ち込んでいても気分がスーッと浮上して、しかも最後には元気になれる素敵なエッセイです。

ちなみにこの本、社会人になってちょっと落ち着き、色々悩み始めた妹に貸し出したところ、大いに気に入ったらしく戻って来ません。早く返却してくれ──!