キング・クリムゾン/ディシプリン&ビート&スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー | 湯島の夜/湯島本店 Night Of Yushima

キング・クリムゾン/ディシプリン&ビート&スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー

  

ユニバーサル [UICE-9060]

  

 ふう・・・安い複合機(プリンタ&スキャナ&コピー)を導入したので、いちいちデジカメで撮影しなくてもよくなった。楽だなあ・・・。画像も曲がらないしさ。でも・・・画質悪いなあ・・・。だからデジカメで撮ったものをあげましたが・・・??ダメだなあ・・・アメブロが悪いのかな? そんなことよりこの記事を完成したのがアメブロのメンテ突入過ぎのことで・・・失敗しちゃった。せっかく書いたのに・・・ま、いいかこうやってまた書きゃいいんだからね。でも・・・ここやめて他で展開しようかな?

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 さて、僕を80年代音楽へ導く音源は・・・前回のPhewやらピーター・ゲイブリエルのⅣやらケイト・ブッシュのドリーミングやら・・・さらに輸入盤屋で目にした身元のわからない輸入盤群やらでした。身元のわからない輸入盤には・・・ニューウェーブやポジティブ・パンクやゴシックやノイズや、さらにわけのわからないハードロックやプログレまで混在していました。所謂・・・雑種。ミックスだったんです。

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 あの頃は聴くほうだけでなく本職のミュージシャンの方々も、トレンドのニューウェーブやらパンクやらに色気を出してみたりして・・・非常にみっともない時代でありました。浮気の時代・・・。でもそれだからこそこれまでタブーとされてきた「新しいモノ」が続々と生まれたのだと思います。単調なモノから・・・もっと単調なモノや複雑になったモノやら・・・僕にとっては面白い時代でした。

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 さて、今回の「ディシプリン」「ビート」「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー」の3部作・・・80年代ディシプリン・クリムゾンも僕の音楽鑑賞方向を大きく変えたひとつでした。といっても・・・笑わないでくださいよ。僕はリアルタイムでは最初の「ディシプリン」しか聴いたことがない・・・んです。ディシプリンが81年リリースで・・・その後も暗いもの好きだった僕が他の2枚を聴かないはずがないのですが、この2枚がリリースされていたことを知るのも、ごく最近なんです。ほらほら、笑わないでくださいよ。なんでですかね? こういう僕だからこそ・・・ディシプリン以外の2枚も聴いてなくちゃおかしいのにね。なんでかなあ? 本当に忘れちゃいましたね・・・。

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 何度も書きますが僕はディシプリンを聴いて「聴く音楽の傾向」が変わったんです。妙なフラフラした民族音楽(ガムラン)的なリズムに・・・やる気の気だるげなエイドリアン・ブリューの歌がかぶって・・・そこに「シュッ!」って「掛け声・・・合いの手??」が入ってきて・・・ね。かっこいいの!のろのろウネウネしたリズムなのに妙にスピーディーででさ。象ギター・・・でね。象ってかっこよくないでしょ? それなのに、なんでエレファント・トークってこんなにかっこよくしなきゃならないんだろう? って当時は疑問に・・・思わない。不覚にもかっこいいとしか思わなかったのです。ギターもドディドディダドドディドディダド・・・ってテクニカルな(指も腕も疲れるだろうな)フリップ様の高速なギター奏法(なんていうんですか?)もここから始まるんですよね。ま、僕はこのとき25歳くらいだから若気のいたりで早けりゃなんでもかっこよく聴こえたんでしょうね。トニー・レヴィンが「格闘技系のスケベなジャズ・ミュージシャン(なんじゃそりゃ?)」みたいでかっこよかったよね。日本で言えばジョニー・吉長みたいなもんか? わっはっは!

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 このときのフリップ以外のメンツはビル・ブラッフォード(ds、50年生まれ)、トニー・レヴィン(b&スティック、46年生まれ)、エイドリアン・ブリュー(g&vo、49年生まれ)。最初のバンド名はクリムゾンではなく「ディシプリン」でしたが、メンバーから「バンド名はクリムゾンであるべきだ」と言われたフリップは迷った挙句にやっぱりキング・クリムゾンとしたのです。ま、僕ははじめから「クリムゾン」に決まっていたと思いますがね。だって、フリップは商売人だもの。

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 このアルバムを駄作という人は今やあまりいませんが、当時は旧クリムゾン派にボロクソに言われたものです。僕は正直ちゃんと聴いたのはこのアルバムからでしたので、もうこれは「最高作に間違いない」としか思いませんでしたね。だって・・・いままでこんなの聴いたことなかったんだものね。無理もない。

  

 

ユニバーサル [UICE-9061]


 で、80年代クリムゾンのセカンド「ビート」です。これを聴いたのは今回が初めて・・・笑わないでよ・・・。ビートっていうのはアメリカ文学の異端「ビートニク」の代表的な作品であるジャック・ケルアックの「路上にて」をモチーフとしているからです。ん? 僕も読んだことない。だって・・・アメリカなんて興味ないもの。ビートニクってのは保守化、硬直化、権威化してしまった文化や生活様式、常識、精神世界、あらゆる思想に意義を唱えた反体制運動・・・なのですか? ふうん・・・これは猪狩久晴さんのCDライナーに書いてあります。クリムゾンって、はっきりとこういうモチーフを出さないと思っていましたからね。所謂コンセプトアルバムっぽいモノなんですね。だから「作品」と言う点では一番まとまっているのかもしれません。詩はすばらしいと思います。

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 でも・・・音は前作ディシプリンを踏襲したものですね。同じようなもんです。しかし、旧クリムゾンのアルバムは・・・ピート・シンフィールドのような詩人がいないと音はともかく「歌うための詩」がよろしくない。まとまりに欠けてしまうのですよね。インスト中心になると「思わずハードなもの」に偏ってしまうのでしょうね。その方が楽だモノ。であるからして、このアルバムは久しぶりのまとまりのあるアルバムとなったはずなのですよね。聴きながら書いていますが、なかなかよろしいですね。僕は「ニューロティカ」と「レクイエム」が好きですね。

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 このアルバムだけジャケット中がピンク色になっています。これも前述のビートニクに関連した理由があるそうです。「ハート」の意味のようですよ。心臓なのでしょうか? 心なのでしょうか? しかし・・・80年代ディシプリン・クリムゾン3部作のジャケットは素晴らしい!ん? ファクトリー・レーベルの諸作でも知られるピーター・サヴィルの手によるものだ・・・ってライナー書いてる鮎沢裕之さんが書いている。ファクトリーってあの輸入盤屋オパス・ワンのトレードマークにもなっていたあのマーク作った人? ジョイ・デヴィジョンのジャケットとか作った人・・・なのでしょうか?

    

 

ユニバーサル [UICE-9062]

 

 ほんで、80年代ディシプリンクリムゾンのラストを飾るのがこの「スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー」です。僕は最近まで「ペアー」じゃなくて「ベアー」だと・・・熊だと思ってたアルバムです。

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 「気まぐれで始めた80年代クリムゾン」がやはりワンパターンになってしまって、つまらなくなったのか飽きたのか・・・とりあえずこタイプでの制作は止めて、これからはいかにもかっこよさげな何かありそうな・・・けど何もないって感じのプロジェクトがいくつか動くようになって・・・いくんですよね。根強いファンがいるからね・・・特に日本にはね・・・。辞められないよねウハウハ儲かるよね。

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 このアルバムはワンパターンにならないようにってな工夫が見られると思うんですが、どうでしょう? 僕は「インダストリー」が好きだな。でもね・・・僕ははっきりと言うと、ブリューのギターはともかく見た目っていうか声質が好きじゃないの。ライブ見たときも、それをはっきりと感じました。だって明るい明るいアメリカ人なんだもの。そう。差別しますよ。おいらはアメリカ人嫌いだからさ(笑)。でも・・・やはりなんといっても「太陽と戦慄パートⅢ」でしょうね。これは旧クリムゾンファンも許したのではないの? これが「80年代ディシプリン・クリムゾン」の集大成なのではないですかね? 

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 「80年代ディシプリン・クリムゾン」はディシプリンからスリー・オブ~まで3枚組みでリリースすりゃよかったのにね。タイトルは「ディシプリン・ビート・スリーオブ・ア・パーフェクト・ペアー」そのままでいいんじゃない? このアルバムには「ザ・キング・クリムゾン・バーバー・ショップ」「インダストリアル・ゾーンA」「同B」「スリープレス(トニー・レヴィン・ミックス)」「スリープレス(ボブ・クリアマウンテン・ミックス)」「スリープレス(ダンス・ミックス)」の6曲のボーナストラックが追加されています。アルバムの面白さといい、おまけ付きといい・・・一番お得なアルバムではないでしょうか? ま、80年代ディシプリン・クリムゾンは3枚とも揃える方がいいでしょうね。僕も30年近くたってから全部揃えました。勉強不足で・・・すいません!