陸前高田を訪れました。
陸前高田市内。
仮設店舗がどんどん立ち並んで
以前より、活気がある様に見えました。
戸羽市長に、
「街、元気ですね」と、声をかけると
あまり浮かない顔。
「どうしたんですか?」と、聞くと、
「全く前に進んでいない」との返事。
市の年間予算100億に対して、
現在、復興予算が執行され、1300億円の現金がある。
すぐにでも、高台移転に向けて、工事を開始したいのだが、
国土交通省の許可が下りるのに10ヶ月かかり、全く、動かないとのこと。
全く、あきれた話。
国が予算を決め、何をやる為の予算かは
明確になっているにもかかわらず、
その許認可を、一つの省が出さないでいる。
震災直後、予算が決まらなかった。
財源が見えないとの国会の議論で8ヶ月。
その間、被災地は、ほったらかしにされた。
そして、予算が決まり、施行されれば、次は許認可。
被災現場の事が全く見えていない。
国会議員と役人が実権を握っているから、
こんな馬鹿なことが起こる。
被災地の方々の、「予算が決まらなかった8ヶ月」、
そして、「着工しない10ヶ月」を、自らの痛みとして感じているのか。
隣り町、住田町の町長が、震災の後、
仮設住宅が足りず、慌てて仮設住宅を作り、
陸前高田の市民を町に招き入れると、
国から、「何を勝手なことをやっているんだ。
町には、その権利はない。一円も補助金は出さない。」と、言われたとのこと。
溺れている子を見て、飛び込まない人がいるだろうか?
隣りの家が火事で大変な時に、何もしない隣人がいるだろうか?
1年と3ヶ月。
陸前高田の参与となり、
つくづく、この国の中央集権の仕組み、官僚主義の仕組みに嫌気がさす。
政治は国民の幸せの為だけにあるのであって、
行政の都合の為に、あるのではない。