私はファッションに関して、それほど興味があるほうではないと思います。ただ、「身だしなみ」には人一倍気を遣います。身だしなみとは、単に流行の服を着るとか、高級な物を身にまとうというのではありません。身の回りについての、心のあり方を指します。
たとえば、みなさんは靴を磨いていますか。できれば毎朝、出かける前に靴を磨いてほしい。これから向かうのは「戦場」です。靴を磨きながら「よし、今日も一日、がんばり抜くぞ」と気を引き締める。これだけで、その日の仕事は捗るはずです。何よりピカピカの靴を履いているだけで、気持ちがいい。
そもそも、靴が汚れているビジネスパーソンは信頼されるでしょうか。私が見ている限り、頭髪が乱れていたり、洋服がしわくちゃだったりと、身だしなみが乱れている人は、なかなか実績が上がらないものです。最近、とくに気になるのが、
シャツの第1ボタンをはずしたままにしている人。
その上からネクタイをゆるく締めている、だらしない格好の人です。
残念ながら我が社にもこのような若者がいます。以前、入社式で第1ボタンをはずしたまま辞令を受けようとしている人がいました。私は「そのボタンをはめるまで、辞令はわたしません」と容赦なく注意しました。
わかっています。悪意があってボタンを開けているわけではないことは。彼にとってはそれが普通なんでしょう。
しかし、そんな格好では「仕事するぞ」という意欲が伝わってこない。
戦闘態勢になっていないと感じてしまいます。
実際、身の回りのことにだらしない社員はなかなか成長しません。一方、身だしなみが良い人は、仕事ができます。身だしなみがきちんとできているということは、身の回りのことがきちんとできている証拠です。仕事に対する熱意、責任感が強いことの現れでもあります。
プライベートでどんなファッションを選択するかは、まったくの自由。それぞれ好きなスタイルを楽しめばいい。ただし、仕事の現場には常に清潔で、乱れのない、整えられた衣服や頭髪で臨むことを意識してください。
身だしなみを整えたら、自然と
言葉遣いや態度も良くなっていきます。
そう、初めに身だしなみは「心のあり方」と言いました。外見を整えることで、内面、すなわち心が整っていくのです。
あなたの靴、汚れていませんか。シャツの第1ボタンが開いたままになっていませんか。