私、WATANABEがフィギュアを造る原型師さんと直接お会いし、

フィギュア造りについてお聞きした事などを「Sculptor」というテーマで書かせて頂きます。


これ以降、このテーマの更新は毎月第3金曜日に行います!



それでは、早速。


ジャンプフェスタ2012 2日目の2011年12月18日(日)、

第一回 造形王頂上決戦 決勝大会の後にKENGOさんとお会いしました。


KENGOさんはもちろん、造形王の決勝をご覧になる為に来ていて、

決勝大会終了後に私がヒールさんとお話をしていた時に

「KENGO来てたけど、会った?」と聞かれた事がきっかけなんです。


以前からお会いしたいと思っていたんですが、

なかなかご都合が合わずお会いするタイミングが無かったんですがこの日やっとお会いする事が出来ました。


お顔ももちろん知らないので、内心ドキドキでした。


「初めまして!」という会話から始まり、

お茶でもしながらと言ってくださり、色々とお話をして下さいました。


WATANABE

「早速ですが、これまでどの様なフィギュアを造られてきたんですか?」


KENGOさん

「色々造ってきましたね。

某M社さんの12インチサイズにフィギュア、某テーマパーク内のフィギュアなんかも。

12インチサイズは本当にそればっかり創っていて、修行してました。

某テーマパークは、中で売ってるスティックやライトの先にある小さいフィギュアとかです。」


WATANABE

「そんなのも造られてたんですか!

私がKENGOさんを知るきっかけとなったのは、

あのスーパーDX(MSP)のエース なんですが、

あれはご自身でメーカーさんにお話されて生まれた作品なんですよね?」


KENGOさん

「そうですね。

今まで色々な原型師さんの元で下積み、修行をしてきて、

現行シリーズの一部を造るのではなく、

自分でシリーズ、ブランドを立ち上げてみたくなり、

そこでどのメーカーさんならそれが一番実現出来るんだろう。と思い浮かんだのが

バンプレストさんだったので展示会に行き自分で話を持ちかけました。」


WATANABE

「あーなるほど…。

それにしても、あのエースは本当に凄いです。上手いですよね。本当に。」


KENGOさん

「ありがとう。」


WATANABE

「春に出た“BROTHERHOOD ”も本当に凄いと思いました。さすがです。」


KENGOさん

「あれはね、凄く苦労したんですよ。

平面の漫画だから描ける絵であって、本来なら有り得ない方向から手が出ていたりするんです。

けど、それをどうやってあの絵により忠実に再現が出来るのかを考えて造りました。

ルフィの前髪とかはあえて短めにしましたし、ルフィ、エース腰の位置も

どの高さ、角度にすれば一番フィギュアとしても自然で、あの絵にも近くなるのか。と何度も直しました。」


WATANABE

「そのこだわりがあのフィギュアに活きているんですね。

そして、今私が一番好きなシリーズ“The GRANDLINE CHILDREN”!

あれは本当に何から何まで大好きなんです。」


KENGOさん

「いやー嬉しいですね。」


WATANABE

「この間もエース、ハンコック取りました。

エース造形は本当に完璧なんですが、おでこに絆創膏が欲しかったんです…。

わがまま言って申し訳ありません。」


KENGOさん

「あ、そう言えばエースには絆創膏付けなかったですね。なんでだろ。」


WATANABE

「60巻の表紙だと、ルフィ、サボ、エースそれぞれに絆創膏があって…」


KENGOさん

「あの3体は同時に造り始めたんだけど、

当初は3体共に、絆創膏はなくて途中で付ける事になったんです。

エースはメーカーさん側から何の注文もなかったのであのまま出しちゃったかたちですね。」


WATANABE

「そうなんですね。

次はルッチ、ジャブラ、その次はロビン、スパンダム、ファンクフリードですよね。

これらも非常に楽しみにしております。」


KENGOさん

「ルッチやジャブラなどCP9は単行本のSBSしか絵がなくて、

あのラフ画を元にルフィやサボの等身に合わせて造っているんですよ。」


WATANABE

「え…そうなんですか。

てっきり東アニ(東映アニメーション)さんの設定画があると思っていました。」


KENGOさん

「尾田先生の描く幼少時代の等身が、

今と連載当初じゃ全然違うので、今の等身に合わせているんだけど

これに合わせると、どうしてもおでこが広くなっちゃうんですよね。

スパンダムは顔の半分がおでこみたいになっちゃってるし。笑」


WATANABE

「笑。その次の第5弾は○△□と●▲■だそうですが、

もう原型の方は完成されているんでしょうか?」


KENGOさん

「その2体ね、まだ本当に何も手を着けてないですね。急がないと。」


WATANABE

「フィギュアを造る時なんですが、どんなやり方でお造りになられるんでしょうか?」


KENGOさん

「そうですね。俺の場合はまず設計図をしっかりと描く事から始めます。

正面から見た図、側面から見た図、それと細かいパーツなど。

ある程度、その図面を見て、自分がその時のスケジュールで

手を着けやすいパーツから造る事が多いです。」


WATANABE

「なるほど…。

リアル、デフォルメ、サイズによって異なると思いますが

製作期間などはだいたいあるのでしょうか?」


KENGOさん

「期間はバラバラだけど、自分の中で一番時間をかけるのはやっぱり顔ですね。

似させようとしてるのか、カッコ良くさせようとしているのか、

自分の好みに仕上げているのかは分からないけど顔は一番時間かけます。」


WATANABE

「その好みにバッチリ当てはまってます。笑」


KENGOさん

「あと、全パーツを造ってから、

本当にこれでいいのか?という考え直す時間も多めに取りますね。

その時はそれで満足しても、少し時間が経つと、そうでなくなる時もあります。

その時は造り直すので、この時間が一番大切だと自分では思っていますね。」


WATANABE

「最後に、本日開催された造形王ですが、

次回大会にもし出場されるのであれば、どの様なフィギュアをお造りになりたいでしょうか?」


KENGOさん

「尾田先生の絵はアートだと思っていますし、

ONE PIECEという物語は冒険だけど“感動”あってこそだと思っています。

皆が好きなシーンのほとんどには“涙”が関わっているはずなので、

そのフィギュアを見て“The・ワンピース”と感じ取れるシーンのフィギュアを造ってみたいですね。」


WATANABE

「今日は本当に有難うございました!」



…と、お時間がきてしまった為、ここでKENGOさんとの対談は終了となりました。


1時間弱ではありましたが、本当に貴重なお時間を過ごさせて頂きました。


KENGOさん、お忙しい中 本当に有難うございました。


そんなKENGOさんが原型担当の

The GRANDLINE CHILDREN第3弾が公式サイトにアップされています!


▼The GRANDLINE CHILDREN vol.3 ルッチ
★★★WATANA BLOG★★★

http://www.prizebp.jp/grmn/glc05.html

▼The GRANDLINE CHILDREN vol.3 ジャブラ
★★★WATANA BLOG★★★

http://www.prizebp.jp/grmn/glc06.html



今回の記事、いかがだったでしょうか?



原型師さんとの対談はこれからまだまださせて頂く予定をしております。

毎月第3金曜日に更新予定の「Sculptor」を今後とも楽しみにして頂けると幸いです。


どうぞ宜しくお願い致します。


WATANABE