終章 こころのリハビリ | こころのリハビリ

終章 こころのリハビリ

彼が最初の入院をしてから、20年以上の時間が過ぎた・・・

その後の彼は、1人でひっそりと生き続けていた。



アイツと彼女がどうなったのか彼は知らない。

当然、あの人の事もわからない・・・




最近、彼は過去の出来事を色々思い返す様になっていた。

また夜になると昔の事が走馬灯の様に浮かび上がる様になった。

手首に残る傷を見ては彼は考えていた。


「何故この様な事になったのだろう?」

「何故あの様な事をしてしまったのだろう?」


「もし、もっと早くあの人に告白をしていたら・・・」

「もし、あの人と同じ高校に進学していたら・・・」

「もし、部活動に理学部を選んでいなければ・・・」

「もし、特別賞に理学部を推薦していれば・・・」

「もし、彼女に会わなければ・・・」

「もし、彼女に告白しなければ・・・」

「もし、あの狂気の芝居を起こさなければ・・・」

「もし、坂の上で2人と遭遇していれば・・・」

「もし、彼の謝罪をアイツが見ていなければ・・・」



彼は冷静に過去を思い返そうと考えていた。
「もう一度、最初から冷静に自分の人生を見つめ直そう!」

「そして今度こそ、やり直して残りの人生を有意義に過ごそう!」




「白い部屋」の中で彼は目の前のパソコンのキーを叩き始めた。

「こ こ ろ の リ ハ ビ リ」

と・・・


無限回廊編 終わり


       完


Vollendet das ewige Werk!