50章 謝罪
夏に理学部のOB会で天体観測の合宿をする事になった。
彼は同志やアイツと彼女も参加する事を知った。
彼は謝罪のチャンスだと思っていた・・・
合宿の初日は小雨が降っていた。
みんなは翌日の夜間観測に備えて朝まで宴会をしていた。
宴会に疲れてみんなが眠り始めた早朝、彼は彼女を宿の裏へ呼び出した・・・
彼は濡れた地面に土下座をして謝罪をした。
「あの人」に会えない代わりとしてあなた(彼女)を選んだ事
あなた(彼女)に告白した事
本当はあなた(彼女)を好きでは無い事
生物室での狂気の事
あなた(彼女)の気を引くために芝居をしていた事
私(彼)の狂気の芝居でアイツや同志の受験を失敗させた事
あなた(彼女)と交際を始めたアイツにジェラシーを感じていた事
今回を限りにもう、2度とあなた(彼女)の前に姿を現さない事
彼は泣きながら全てを話した。
彼女は黙って聞いていた。
そして、彼女が話し始めた。
彼女は彼の全て理解して、彼を赦してくれた・・・
それを聞いた彼は最後に、
彼女に「あの人の代わりになって、私を受け入れて欲しい」と言った・・・