37章 変調
彼女の返事は当然「NO」であったが、アイツとの交際は否定していた。
彼は予想通りの結果に安度と残念の両方の気持ちを抱いたのであった。
「別に彼女の事は好きでも嫌いでも無い、ただあの人の代わりとして告白をしだけだ」
と彼は考える事にした。
「別に好きでは無い・・・」
「別に・・・」
この頃から、彼のこころが変調を起こし始めていた。
彼の感情の起伏が激しくなり、躁と鬱の差が大きくなっていった。
躁の時の彼は、何でも無い事で何時までも笑い続けている様になった。
鬱の時は、彼は物凄く落ち込み、誰とも一言も話さずに過ごしてしまう様になった。
彼はまた夜眠れなくなっていた。
暗い部屋で一人でいると、過去の後悔や失敗が走馬灯の様に現れて彼を苦しめるのだった。
あの人との最後の別れのシーンも浮かび上がり、彼女の性欲を刺激する仕種も浮かんだ。
外が明るくなるまで、不安と妄想が彼を襲っていた。
彼は一人、自室で苦しみ続けていた・・・