32章 審査 | こころのリハビリ

32章 審査

文化祭2日目、やはり夜眠れなかった彼は大幅に遅刻をしてしまった。

昨日の事で冷やかす部員達に、彼は引きつった笑顔でしか答えられなかった・・・


2日目も彼は優秀賞の審査で校内を回り、殆ど理学部の展示には参加しなかった。

校内の誰一人、彼が審査委員だと気づいた人はいなかった。

午前中に彼は全ての展示の審査を終えた。


午後になり文化祭もいよいよ終盤である。会議室で文化祭優秀賞の審査が始まった。

審査は生徒側の委員長の彼とステージ担当の副委員長と書記の3人と教師側の代表3人で行われた。

最初にステージ担当の副委員長が中心になってステージ部門を決めた。

優秀賞にコーラス部が、次点に有志バンドと2-Dの劇が選ばれた。


次に校内展示部門の優秀賞の審査に入った。

年配の教師が「今回は優秀賞に値する良い展示が無かったなぁ」と言った。

この一言がきっかけになり、今回の優秀賞は「該当者無し」になった。

代わりに「文化祭特別賞」を3つ出す事になった。

2-Gの自主映画と3-Cの展示はすぐに「特別賞」に選ばれた。

残る1つは部活動から選ぶ事になった・・・