15章 交換日記 | こころのリハビリ

15章 交換日記

彼は返事の手紙に自分の自己紹介を書いた後、

文末に「交換日記を始めませんか?」と書いた。


彼は告白に成功しても、あの人と直接会話は出来ないと思っていた。

また、他人に2人の交際を知られる事を警戒していた。

あの人がイジメられていた事が理由では無かった。

彼自身があの人との交際を悪友達に知られ、

からかわれたり冷やかされたら耐えられないと思っていた。

彼は「交換日記」を使えば、あの人と直接会って話をしなくてもお互いが解り合えると考えていた。

数日後、あの人は彼に一冊のノートを渡してくれた。

交換日記であった・・・


こうして、彼とあの人の淡い交際が始まった。

所謂「友達以上恋人未満」のそんな感じであった・・・

日記の交換は3日に1度くらいの間隔で行っていた。

学校で2人一緒になるのはその交換の時だけであった。

その時にあの人と1言2言会話する事が、彼の楽しみであった・・・・