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わたあめ工場#10「Oz-1526」お楽しみ頂けましたでしょうか??全15ステージの終演からおよそ1週間が経ちました。
名残惜しさを感じつつ…惑星オズの世界を一緒に振り返っていきたいと思います!
長くなりますので、何回かに分けて行っていこうと思います。是非最後まで、お付き合い頂きますと幸いですっ!




第一弾は惑星オズの住人達のお話です。



今作品の原作は王道ファンタジー「オズの魔法使い」それぞれのキャラクターたちが夢を叶える為に奮闘する物語です。
私はまず、この夢を叶えるという所に注目しました。主宰挨拶でも書きましたが、追い求めていたモノを手にした時、それは本当に幸せと言えるのでしょうか??寧ろ求めるという行為に終わりが見える事は不幸ではないのだろうか…?


「旅の御一行」
原作では、脳無しかかし、ブリキの木こり、臆病なライオンの三名は各々求めていたものは目に見えていないだけで元々持っていたり、旅を通じて得る事が出来ます。
本作品「Oz-1526」でも、科学の力を持ってそれらを得ることになります。
しかし、科学によって人工的に得た力は屈折した変化をもたらします。



脳無しカカシ「サラミ」は人類最大の遺産であるノアのAIバックアップを埋め込まれます。知識は人を強くします。その強さが彼を革命へと誘いました。人類の歴史全てが脳内に流れてきたサラミは先人類たちが歩んだ過ちの歴史を選択してしまいます。しかしその過ちは結果論として繁栄へと繋がった為、サラミは気づく事が出来なかったのです。
後に自らの命令で友人であるチキンへ弓矢の雨を降らせることになりますが、政治家と変貌を遂げた彼は…友人よりも国民とこの国の未来を優先しなければならなかったのです。

次に、臆病なライオン「チキン」は臆病な自分を嫌い…勇気を求めます。勇気を得て、強くなって、もう一度ご主人様に認めて貰いたい。その想いが彼の根底にありました。臆病を治す方法をサラミが共に考え出した結論は、薬を投与し恐怖心を一時的に取り払うというモノでした。錯乱状態でチキンはご主人様に認めてもらうべく、メアリに挑みます。臆病者じゃなくなった事を報告しても、メアリには届きませんでした。チキンは混乱し、メアリを食い千切ってしまいます。それと同時に箍が外れ、チキンは化け物へと変貌してしまいます。
仲間を傷付けたくないのに手が勝手に動き自分の意思とは裏腹に動く体に、チキンは涙を流します。大量の弓に打たれた瞬間、チキンは元の心優しいチキンに戻って死んでいきます。

最後に心なしの木こり「ジャック」、彼だけは科学の力で手にする訳ではなく、元々持っているにも関わらず、心がないと思い込んでおりました。心は形のないモノと考える方が多いと思いますが、ジャックの中では心は心臓の位置、胴体にあるという概念なのです。その為、胴体までブリキにすり替えた時点で心がなくなったと錯覚します。しかし、それは恋人を失った虚しさと長い時間向き合い、疲れ切ってしまった彼の逃げでした。ジャックの求めていた心は最後にグリンダに愛を告げる事で成就いたします。魔女裁判により呪いをかけた張本人たちが次々と処刑され、ジャックの3つの呪いが解け…彼は今度こそ恋人を失わずに済んだのです。作者的には旅の御一行の中で最もジャックが幸せと呼べるモノを手にしたと思っております。




「四方を統べる魔女」
東西南北にある小さな国々を収めるのは魔女と呼ばれる四姉妹。魔女と言えど、彼女たちは魔法を使ったりはしません。彼女たちはリース博士の遺伝子を元に作り出された新人類。列記とした人間、なのです。

ノアとリース博士は過剰な科学の発展により地球が滅亡したと考え、新人類たちには科学の発展により通ずる全ての記録以前のモノを移行しております。その為、惑星オズの時代背景は錬金術などがまだ脚光を浴びているような時代。
先人類たちの記録を元に、ホムンクルスや傀儡人形、キメラを生成して彼女たちは彼女たちなりに国を築こうとしました。
その行動は寂しさを埋める為でもあったのでしょう。
この四姉妹は「悲しみの変換」というキーワードを元にキャラクター構成をしております。それぞれが深い悲しみ襲われた後に別のものへと変化を遂げいき、それらが彼女たちの原動力へと変わっていきました。
北ノ魔女は悲しみが狂気、西ノ魔女は悲しみが怒り、南ノ魔女は悲しみが憎しみへと変わっていきました。四姉妹のうち3人は負の感情へと変換されてしまいました。
ただ唯一、悲しみが優しさへと変換された東ノ魔女は姉達から忌み嫌われしまうこととなるのです。しかしそれは裏返しで、姉達はグリンダの事を最も愛しそして、羨ましかったのでしょう。


「鴉と鼠」
これらの種族たちは魔女たちに生み出された失敗作であり、惑星におけるゴミたちです。魔女は母に捨てられたと思い込み自分達が失敗作だから捨てられた。=失敗作は捨てるモノだと考えておりました。
捨てられた彼らは捻くれものとなり独自のコミュニティを形成します。
優れていないからと捨てられた彼らは群をなしてそれらを力と変えて生活をしていました。1人では何も出来ないが故に互いに依存しあうこの2種族。
彼らこそ、惑星オズの象徴であるのです。




以上、惑星オズの住人達のお話でした!!
ノアとリースについてはまたじっくりと。


それではまた次回更新をお待ちください!!!!


劇団わたあめ工場