人は愛の快楽の果てに、何処に辿り着くのでしょうか。あまりにも美しく、そして残酷な欲望に、誰もが跪くしかないのかもしれません。ご存知、韓国映画界のトップスター、ハン・ソッキョ、イ・ウンジュの共演、そしてイ・ウンジュの遺作ということで話題となった作品です。    いや~衝撃でした(苦笑)。

 

 作品を通して描かれている、格調すら感じる、快楽の導線に最後まで釘付けにさせられます。それはまるで、何処にも出口の無い感情を抱かせれたような、脆く儚い人間の本質的な要素を、刺激されたように、重く深い痛みを、見る側に投げかけてきます。


 この作品は、女優イ・ウンジュ自身を崩壊させたようにも、一部で報道されていましたが、残念ながら100%そうではない!と言い切れない描写には、胸が苦しめられます。


 映像の撮り方、構成のされ方など、作品として完成度は高いです。もちろんハン・ソッキョ、イ・ウンジュという偉大なる俳優が魅せる、人間性の崩壊への演技もまた、超一流でした。見応えがあります。


 しかし鑑賞映画としては、重かったですね(苦笑)。もしイ・ウンジュの直後の事件を除いて考えられたとしても、普段の生活の中で、意識したくない、脆く儚い愛にすら、すがって生きなくてはいけない、人間という生き物を見せられたような、気がします。


 単なる恋愛映画、としてみるとかなりショックを受けると思いますよ^^; ご覧になる時は、多少気合をいれて見てくださいね(笑)。


 イ・ウンジュの最後の出演作品として、そのまれに見る演技力を、記憶にとどめるには、あまりにも衝撃的ですが、歴史の証人として、是非受け止めて頂きたい作品です。


スカーレットレター   評価 : ★★★★☆