『正義』を掲げることの危険性 | 大学からJリーグ参入を目指す WASEDA UNITED社長のブログ

『正義』を掲げることの危険性

検察・特捜部は「正義原理主義者」の集まりだ。: 六本木で働いていた元社長のアメブロ


堀江氏が検察を『正義原理主義者』とここまで疑問視する意味もよく分かる。
実際に、自分も起業して、生身で経済活動をしてみて気が付きました。

この世の中は、常に何かと何かがトレードオフされてしまうことを。
一方で『正義』であっても、どこか一方で必ず『悪』の対象となり得ることを。
だから、ビジネスもビジョンをハッキリ持たないと『八方美人』で中途半端に何も得られず終わってしまう。

『正義』と『悪』は紙一重である場合が多い。
だから、検察にとって『正義』であったライブドア事件での経済的影響は計り知れない。

当時、ちょうど新興銘柄の株を売買していました。
ライブドア事件の直後は、どの銘柄もものすごい株価の乱高下が起きた。
デイトレーダーからすれば天国のような相場だったかもしれない。

だけど、ライブドア事件を境に、日本の3大新興市場(マザーズ、ジャスダック、ヘラクレス)は活気を失いました。
IPOの数も右肩下がり。
新興市場には全くといっていいほど資金が流れてこなくなりました。

企業が資金を調達するための最も巨大なマーケットは、その事件を境に荒廃していきました。
日本の将来に投資していた外国人投資家の資金も、どんどん日本から離れていきました。
日本経済を底上げするために必要な新興市場ですが、今もリハビリ状態が続いています。

なぜ投資家は、株式市場に資金を投入しなくなったのか?

こんな不透明な理由で検察に捜査され、簡単に上場廃止に追いやられるようでは、
どの会社の株も怖くて買えない・・・・・ いつ検察に捜査されて、株が紙切れになるかも分からない・・・・・・
そんな『疑心暗鬼』が株式市場への資金流入を完全にストップさせてしまったように思います。

コンプライアンスが整備されていないであろう新興企業ほど負の影響が直撃する。
ちょうど当時は、『耐震偽装』も話題になっていた時期でした。
なおさら、何を信じるべきか分からなくなった時期です。


行動する側にとって、『正義』は強力な原動力になることがあります。

だけど、その『正義の鉄拳』が国の経済や社会のエネルギー・成長力を奪うものだとしたら・・・・・・・

拳を振り下ろす意思決定を『人間』がしているという事実が本当に恐ろしい。

『絶対に間違いを起こさない人間』なんて、この世にいるわけがないのだから。