会社は誰のものなのか?という疑問への答え | 大学からJリーグ参入を目指す WASEDA UNITED社長のブログ

会社は誰のものなのか?という疑問への答え

コンセンサス型企業の終焉* :池田信夫 blog
会社は本当に株主のものか?という疑問に答える本 My Life in MIT Sloan


「会社は本当に株主のものか?」 という疑問。
株主や経営者の立場に立ったことがある経験からコメントすれば、
会社法105条に定められている通り、法律上 『会社は株主のもの』 としか言えない・・・・て思います。

これに違和感を覚えるのは『人的資本主義』の思想が強い方々。
人的資本主義は『人』を大切にするのが会社の社会的責任というスタンスなので、
『株主至上主義は人を軽視している!』・・・・・という論点を強調します。

僕も人的資本主義はたしかに必要な考えだと思います。
実際に今も『人』のサポートで組織が成り立っていますし、皆がハッピーになれればいいなと思います。
ただし、勘違いしてはいけない事は、会社にとっての人的資本とは『職業観を持てる人材』 に限られるということ。

例えば、サービス業を例に挙げれば、以下の質問に答えられるかどうか・・・・・・・・
・誰から自分達の報酬を得ていて、誰の期待に応えるべきか? 
・報酬と対価(サービス)が経済的に等価交換されているのか?(お客さんとも会社とも)
・会社の永続に貢献できているのか?

以上の質問に『答えたくない人・答えられない人』は、その会社の人的資本になり得ないということで、
別の会社に転職するか、独立するか、貯蓄で生きていくか、社会のセーフティーネットに頼って生きるしかない。
(結果は出ていないけれど、答えようと努力している人に対しては、会社側がじっくり『先行投資』する場合もある)

そうじゃないと、どこかの大企業みたいにキャッシュフローがおかしくなって、国の税金を補填するハメになります。
社員個人や会社に迷惑かけるならまだしも、最終的に国やお客さんに迷惑をかけるのはマズい。

そもそも会社が存在するのも、会社の成長を期待した株主がリスクを負って資本を投下することに始まり、
永続できるのは『職業観』を持った社員が売上を得たり組織をオペレーションしながら『利益』を出してくれるから。

そして、おそらくどこの会社も、こういう人材は『人的資本』としてとても大切にされているはずですし、
『職業観を持った従業員』を大切にすることで、消費者も幸せにできて、他の従業員も幸せにできて、
会社として将来への投資もできて、余剰金も残せて、最終的に株主価値を高めることにも繋がります。


株主至上主義に対して、人的資本主義を訴えるのは『美しいこと』に見えるけれど、
『人的資本』としての最低限の義務を棚に上げていたら同じテーブルで話はできなくなりますし、
右肩上がりの成長が止まった時にこそ、そういった『義務』が表面化してくるのかなと思います。

その点が、こういった『株主 vs 人的資本論争』の難しいところ。