試験日程が近づくにつれて焦りや不安が増していく

追い詰められると投げ出したくなる

勉強に手がつかなくなる


そんな時は無理をして勉強するよりも気分転換をした方が効率があがる


「いろんなタイプの受験生がいるけれど、大切なのは勉強のムラをなくしていくことだ」

東大を出て司法試験に合格した友人は試験勉強についてこのように語っていた

「周りの受験生は1日20時間勉強したり、図書館に住み着いて六法全書をめくっていたけど、自分はそこまではしなかった。それは記憶力がよいからではなくて、休みの日を作らなかったから。一年間勉強をしなかった日はないし、成績が悪くても進捗が遅くても気にしないで勉強していたからだと思う。自分のペースを崩さないことがムラなく勉強するコツだと思う。」

つまり、肩の力を抜いて、コンスタントに勉強を続けるメンタルが彼にとっての合格のカギだったということだろう

特別区志望の後輩から先日問い合わせがあった

「専門が終わらない。教養の点数が伸びない。教養論文はまだ手つかず。二年目の受験だからもう失敗できない。特別区までには間に合わないから、国Ⅱ地上に対策をシフトチェンジしようかと思う」

とのこと
誰もが一度はこのように考えると思う

しかし実際には五月前半に筆記対策を完成させている受験生が、後の併願先にも一次通過しているケースが多い

進捗の遅れを気にして自暴自棄になり勉強を投げ出すより
落ち着いて、今できることをできる限り対策した方がいい結果が伴うということではないだろうか


特別区の教養論文は何故大切なのか




配点比率が、他自治体に比べて圧倒的に高いから
基礎的な問題が多い択一ではあまり差がつかないから

テーマを予想して準備しておかなければ、本番で何も書けない危険があるから


などが挙げられる


特別区の教養論文は、例年、二題出題されるが
そのうちの一題を選択して解答する方式で


例えば2011年度の教養論文は
一問目が災害対策についての特別区の現状と今後の課題について
二問目が理想的な地域コミュニティーのあり方についてを問う設問であった


この二題は
特別区の施策についてを問う点で共通しているが
設問が具体的なのか、抽象的なのかで毛色が異なっている


一題目の災害対策については、予めこのテーマを用意していなければ解答が難しいが
二題目の地域コミュニティーについては、自分が準備したテーマである程度の応用を利かせることが可能である

特別区の教養論文は、このように具体的な設問と抽象的な設問の二題に別れており
万が一、具体的な設問(一問目)を用意していなくても、二問目で自分の準備したテーマをある程度応用させることが出来る仕組みになっている


一問目の具体的な設問を予め予測して独学で準備することはなかなか厳しい


情報と練習と施策の知識がキーポイントである



合格ラインをキープする受験生が用意する教養論文のテーマ数は
10テーマ前後であると言われているが


なかには、全く用意せず一次通過した受験生もいるし
前日用意したヤマが当たった幸運な受験生もいる


論文や、文章を書くこと自体が苦手な人には厳しい壁になるが


教養論文の用意を疎かにすることはかなり危険なラインであることに間違いはない


専門択一がある程度完成したら、次に行うべきは教養択一ではなく論文である

教養よりも論文のほうが、伸び幅が大きいからだ



教養論文の配点比率が低い国家公務員試験とは
またしても真逆の構成である



この時期から、進捗に焦りを抱く受験生が増えてくるが
残り三ヶ月
積み重ねの努力で逆転はまだまだ可能である
専門科目、教養の主要科目などを一通り終えて
市販や予備校の問題集を終えて
模試などを何度か受けて


一先ず筆記対策が完成を迎えた後に特別区の過去問を解く


すると、模試や問題集とは比べものにならないほど簡単で驚愕する場合が多い


もちろん、中には難解な問題が含まれているが
裁判所事務官や国家公務員試験、市役所などの比ではない


簡単だからこそ平均点が上がり、ボーダーラインが高くなるが
しっかり対策をして臨めば失敗が少ない試験であるとも言える


予備校の模擬試験は本番よりも難解に作られているので、点数が悪くても諦める必要はない


特別区模試は毎年3月頃に開催される予定であるが
模試の点数が43点でも、本試験では59点を得点した友人もいた
私自身も、模試の点数は低かったし
C判定以上を出したことがない
そして、A判定でも落ちる人は落ちている


もっと言ってしまえば、早稲田の現役の学生が落ちて、大学中退のフリーターが合格することもある、ということだ

慰めではなく、これが事実である


妥協せず、満足せず、油断せずに最後まで全力で対策を続けること
過去問分析をして、今年の出題を自分なりにイメージすることなどが直前期に重要だと考えている