趣味の音楽
あまり他人に音楽の趣味を語らないので、なんとなく。
【音】
J.S.バッハのフーガの技法をグールドの演奏で聞くのがおすすめ。と言いたいが、これは本当に素人にはおすすめできない。「いい曲なの?」とか「クラシック?」とか聞いちゃう人は全員激突死する。
密教音楽は全般に聴きやすい。儀式的、神秘的な音楽であることが理解しやすく、さしずめ秘儀の音声的音韻的側面といったところか。
日本の音楽としては、岩戸神楽を挙げたい。舞を無視するわけではないが、繰り返される原始的なリズム、端々に挿入される神降ろしの文言、これを一晩聴き続ける。
【導入部】
正直に言えば、フーガの技法は、物語的側面を無視しても、曲そのものが上級者向けで、その上にグールドという癖のある演奏者から入るのは良くないことと思う。そこで、リヒテルのバッハを全部30回くらい聞いて、興味のためにバッハのあんちょこ本を読んで、自分でも多少弾けるようにしてから聴くのがよいのではないか。
音楽で恍惚を得たいわけではないが、「天地一枚」程度のことなら音楽を聴きながらでも達成できる。個人的には、モーツァルトのクラリネット協奏曲をウラッハの演奏で聴いたときに至った。我が身が悉く溶けきったように周囲と一体化し、意識だけが透き通ってある。この程度の体験ではしゃぐレベルの禅僧には、くれぐれも引っかからないように。
【楽】
宗教性や身体の音声的側面を求めない人には、もっと分かり易い娯楽音楽がいいだろう。そういう人には実弾演習がおすすめ。日本だと富士総合火力演習が最高だろう。
120mm滑腔砲の斉射に感じ入るもよし、絶え間なく榴弾が降り注ぐ三段山に身を屈める空想にふけるもよし、ミサイルの目視に血道をあげるもよし、さながらアイドル・コンサートのライブといったところか。
【壊乱】
私が高く評価する分野のひとつに声優がある。最初触れたとき、かつてないほどの衝撃が走った。人体を直接破壊するこれほどまでに致命的な音があったのかと。そのときの私は、まさに、未知の化学物質を吸い込んで訳も分からず身悶えしながら死んでいく兵士そのものだった。
もし、これが戦場だったら。私はその日以来、どのような音の羅列にも動じないための訓練を始めた。学館の音楽練習にも、肩にも、心を動かされなくなったとき、訓練は終わった。ただひとつ、傍系pを除いて。
傍系pの心理的負荷は、音声的なそれというよりは、まさしく無意味感との戦いであり、純然たる宗教的課題である。たとえ、どれほど訓練と経験を積んだベテランでも、無意味感には耐えられない。それが最後にして最大の課題なのである。
【本音】
「ぼくのかんがえた歌詞」がついてくる音楽は鬱陶しい。はっきり言ってダサい。
響き渡る指揮、整然たる射撃、腹に響く弾着。あれに比べればなんだって商業。
一音一音を大事にしない糞が多すぎる。音楽なんてその次の問題。
鼻歌で旋律うなるのが音楽だと思ってる奴らにゃ一生わかんねえよ。
【音】
J.S.バッハのフーガの技法をグールドの演奏で聞くのがおすすめ。と言いたいが、これは本当に素人にはおすすめできない。「いい曲なの?」とか「クラシック?」とか聞いちゃう人は全員激突死する。
密教音楽は全般に聴きやすい。儀式的、神秘的な音楽であることが理解しやすく、さしずめ秘儀の音声的音韻的側面といったところか。
日本の音楽としては、岩戸神楽を挙げたい。舞を無視するわけではないが、繰り返される原始的なリズム、端々に挿入される神降ろしの文言、これを一晩聴き続ける。
【導入部】
正直に言えば、フーガの技法は、物語的側面を無視しても、曲そのものが上級者向けで、その上にグールドという癖のある演奏者から入るのは良くないことと思う。そこで、リヒテルのバッハを全部30回くらい聞いて、興味のためにバッハのあんちょこ本を読んで、自分でも多少弾けるようにしてから聴くのがよいのではないか。
音楽で恍惚を得たいわけではないが、「天地一枚」程度のことなら音楽を聴きながらでも達成できる。個人的には、モーツァルトのクラリネット協奏曲をウラッハの演奏で聴いたときに至った。我が身が悉く溶けきったように周囲と一体化し、意識だけが透き通ってある。この程度の体験ではしゃぐレベルの禅僧には、くれぐれも引っかからないように。
【楽】
宗教性や身体の音声的側面を求めない人には、もっと分かり易い娯楽音楽がいいだろう。そういう人には実弾演習がおすすめ。日本だと富士総合火力演習が最高だろう。
120mm滑腔砲の斉射に感じ入るもよし、絶え間なく榴弾が降り注ぐ三段山に身を屈める空想にふけるもよし、ミサイルの目視に血道をあげるもよし、さながらアイドル・コンサートのライブといったところか。
【壊乱】
私が高く評価する分野のひとつに声優がある。最初触れたとき、かつてないほどの衝撃が走った。人体を直接破壊するこれほどまでに致命的な音があったのかと。そのときの私は、まさに、未知の化学物質を吸い込んで訳も分からず身悶えしながら死んでいく兵士そのものだった。
もし、これが戦場だったら。私はその日以来、どのような音の羅列にも動じないための訓練を始めた。学館の音楽練習にも、肩にも、心を動かされなくなったとき、訓練は終わった。ただひとつ、傍系pを除いて。
傍系pの心理的負荷は、音声的なそれというよりは、まさしく無意味感との戦いであり、純然たる宗教的課題である。たとえ、どれほど訓練と経験を積んだベテランでも、無意味感には耐えられない。それが最後にして最大の課題なのである。
【本音】
「ぼくのかんがえた歌詞」がついてくる音楽は鬱陶しい。はっきり言ってダサい。
響き渡る指揮、整然たる射撃、腹に響く弾着。あれに比べればなんだって商業。
一音一音を大事にしない糞が多すぎる。音楽なんてその次の問題。
鼻歌で旋律うなるのが音楽だと思ってる奴らにゃ一生わかんねえよ。