庭師の仕事というのは、建設に比べると、求められるハードルが低いと思います。
人の居住空間となる建設は、耐震性であったり、水平や垂直に求められるものがシビアです。
人の生活に直結するからですよね。
それに対し、庭というものは、あくまで歩くスペース、見るスペースなので、シビアではありません。
勿論、植木が倒れない処置等は行われますが、植木だって根が張ればそうそう倒れるものじゃない。
築山が5cm高かろうが、低かろうが、出来てしまえば誰も気にしません。
しかし、だからこそ、職人は求めなければなりません。
求められないからこそ、求める。
何故かというと、そこを求めないのであれば、どんどん自分自身に甘くなってしまう。
そして、自分のレベルが下がってしまうからです。
下がったレベルは、もう上がりません。
庭師は、自分で自分を律する以外にありません。
だから、職人で腕の差が出るのです。
それは厳密には、腕の差ではなくて、心の差なんです。
良い職人は、汗をかいています。
汗をかくことを恐れない。
家に帰って、風呂入って飯食ってすぐ寝てしまう位で、ちょうどいいのです。
ただ、それをやると、現代では嫁さんに怒られてしまうという悩みがあるのですが(笑)