1. 実験目的

テスターの内部抵抗が回路にどのような影響を与えるかを実験により確認し、各レンジの内部抵抗を求める。

2. 材料・方法

抵抗値の小さい抵抗と大きい抵抗を回路で使用し、デジタルテスターで測定する。
そのとき理想的な電流計(電圧計)と内部抵抗がある電流計(電圧計)と比較し、どのような影響があるかを検討する。なお、デジタルテスターの各レンジの内部抵抗は道の値であるため、実測値により求める。

3. 200mAレンジの実験

デジタルテスターの仕様によると200mAは分解能0.1mA、±1.5%rdg+2dgtでした。

3-1. 流す電流の範囲を検討

200mAの測定レンジのため100mA~200mA辺りを狙います。

手持ちの抵抗はざっと見ると
2.7Ω、120Ω、1kΩ、10kΩ、100kΩ、1MΩ
があります。(その他もありますが、だいたいなのてこれぐらいで)

オームの法則 V=IR から、
各抵抗で100mAを得るために必要な電圧を計算しました。
そうすると
0.27V、12V、100V、1000V、10000V、100000V
となり、これらの電圧を準備するのは難しいことが分かりました。


そのため準備できる電圧を先にリストアップしました。

1.37V、2.74V、5.48V、9V、10.37V、11.74V、14.48V、15.58V、17.22V、19.96V

これらは1.37Vのエネループ(計8個)と9V電池1つの組み合わせにより作ることが出来ます。


色々と検討した結果、電源電圧2.74V、抵抗120Ωの回路と電源電圧19.96V、抵抗10kΩが良さそうだとの結論となりました。

その後、実測すると2.72Vと20.3Vでしたのでこの電圧で進めます。


{0273E628-7577-456E-BF8B-7EBBF0FC7150:01}

{50387441-150D-4268-937B-9D16C1473B39:01}



3-2. 理想的な電流計での仮定



I=2.72/120= 0.0226666A = 22.7mA



I=20.3/10k=0.00203A = 2.0mA


テスターの内部抵抗の影響を受けたとしたらどちらかが誤差範囲外となるはず。

3-3. 実測値



{2F00DB24-7F4C-4A5C-8563-803DDA35B280:01}

22.2mA(23mA)

()内は理想的な電流計での計算値



{805C8A65-BC9F-4656-8623-B85462536D8F:01}

2.1mA(2mA)

両方とも誤差範囲内に収まり、仮定は外れてしまいました、、、

3-4. 条件の変更

さらに抵抗値を変更しないとダメなのかもしれないということで、抵抗値を変更してみました。
2.7Ωを使おうとしたのですが、それだと1/4Wをオーバーしてしまうため以下のような回路にしました。


この回路の合成抵抗は8.1Ωで、回路に流れる電流は0.169Aになります。
抵抗1つにかかる電圧は0.46Vで、電力は0.08Wなので問題ありません。

3-5. 理想的な電流計での仮定

I=1.37/8.1=0.169A = 169mA

3-6. 実測値



{DAC19991-538F-42DF-9348-F05580D46E7A:01}

16mA(169mA)

大きな誤差となりました。

3-7. 内部抵抗の計算

この場合の内部抵抗を計算してみました。
16mA = 1.37V/(8.1Ω+?Ω)

?Ω+8.1Ω=1.37V/16mA

?Ω=1.37V/16mA - 8.1Ω

?Ω=77.5Ω

内部抵抗が77.5Ωだったことになります。

本当に合っているのか?

3-8. 検算

 3-2で使用した回路に当てはめて計算してみました。



合成抵抗は197.5Ωですので

2.74V/197.5Ω=0.0138A = 13mA

3-2では22mAでしたので、おかしい結果になってしまいました。


4. 結論

このやり方では上手く実験出来ないことが分かりました。。。


連敗です(ノ_-。)