ボリスの「フリーダムデー」:法的規制は撤廃されるも「自粛」的な規制が求められる・将来的なロックダウンの可能性は排除されず
Boris bottles ‘freedom day’ by swapping legal restrictions for ‘moral’ enforcement – and leaving the door open to more lockdowns

7月14日【RT】https://www.rt.com/op-ed/529124-boris-bottles-freedom-day/ より翻訳

 

 

(画像:ロンドン市内の地下鉄構内の様子。「解放」の後もロンドンの公共交通機関ではマスク着用義務は継続リンク

 

 

ボリス・ジョンソン首相は、7月19日の「イギリスの大解放の日」は実施すると発言しているが、依然として隔離やマスク、コロナパスポートが日常生活の主要な部分を占めることには変わりはなく、通常の状態に戻るまでにはまだ時間がかかるようだ。

 

ボリス・ジョンソンは月曜の12日、イングランドは7月19日に新型コロナ対策の「計画表」のステップ4に移行することを発表。この日を境にすべての法的規則が解除され、通常の生活に戻るはずだった。ある意味ではそうといえる。しかしこの発表では、注意事項やガイダンス、その他さらなる規制という限定的な「解放」となっていた。

 

喜ばしいニュースとしては、ほとんどのロックダウン規則の法的思考がようやく終了することだ。パブやナイトクラブは通常通りの営業ができるようになる。マスク着用に対する法的強制はなくなったものの、公共交通機関や企業では各自のルールを定めることが認められている。

 

しかし、法的規則がすべて撤廃されるわけではないTTI(テスト(検査)、トレース(追跡)、アイソレーション(隔離))のシステムは依然として存在することになり、これが議論を起こしている。コロナ検査で陽性が出た人は隔離する必要があり、陽性者が接触したと指定する人や追跡アプリで「接触の可能性」などと通知のあった人も隔離を求められる。

 

 

 

このように一部の規則は、パンデミックのピーク時であった一斉ロックダウン中の規則よりも厳しいものになっている。隔離するよう指示された人は、感染者と最後に接触してから10日間はいかなる理由があっても自宅を離れることが認められず、訪問者を迎え入れることも許されない症状が出た場合は検査を受け、陽性が出たらその時点から10日間の新たな隔離期間が開始される。

 

感染者に隔離を求めることは合理的なように思われる。しかし検査で陽性が出た人と接触したというだけで、その人にも隔離を求めるなどうまくはいかないだろう。

 

接触した人が検査を受けて陰性が出た場合や、ワクチン接種済みであったとしても、その規則を逃れる例外規定はないのだ。小さな店舗やオフィスで、従業員の一人から陽性が出た場合には従業員全員が隔離されることになるため、その規則に不安を感じるビジネスオーナーが多いのもごく自然なことといえる。

 

この規則はあきらかに行き過ぎである。感染を拡大させるおそれのある人だけを隔離し、検査で陰性が出た人は自由にさせるなどより良い方法もあるはず。

 

また刑法の適用はされなくなったとはいえ、政府には制限を継続する手段がいくらでもある。急速に感染者が増加し続ける状況において、政府が通常の状態に戻すことに慎重になるのも当然だが。

 

 

★法的規則の代わりに自粛的な規制が求められる

 

ジョンソン首相は、マスクについて次のように述べている。

「計画で、法的規制やソーシャルディスタンスを解除することにはかわりはありませんが、公共交通機関などの見知らぬ人たちと接触する混雑し、閉鎖された空間では、マスクを着用することを期待し、推奨します

 

つまり、法的な規則がなくなるかわりに、道徳心やマナーとして自粛的に対策を取るように求められることになったということだ。夜のビジネスやイベントなどにも同様のことがいえる。

 

 

★イギリスの「コロナパスポート」とは?ワクチン接種以外の方法も

 

ジョンソン氏は、「社会的責任として、ナイトクラブなど大勢の人が集まる会場では、入場手段としてNHS(イギリスの国立病院)のコロナパス(Covid Pass、ワクチン接種の証明または最近の陰性反応、自然免疫を示すもの)の活用を推奨しています」と宣言。つまり数か月間も議論を続けた政府は、結局、イベントなどの会場に対し「コロナ・パスポート」を使うように圧力をかけるということだ。

 

これは特に、スポーツのイベントに適用されるのは明らかだ。スタジアムに行くファンは、NHSのアプリを使い、さらにマスクの着用が求められるという。NHSのアプリ(コロナパス)で、
・過去6ヶ月以内にワクチンを接種したこと
・最近のPCR検査で陰性であったこと
・または過去にPCR検査で陽性であったこと(自然免疫を獲得している証明とみなす)

のいずれかの条件を満たすことが入場許可の条件になる(テレグラフ紙、13日)。

 

 

★フランスの状況との比較

 

フランスではマクロン大統領が、バーやレストラン、ショッピングセンター、病院などの公共の場に行くときや長距離列車に乗るときには、「コロナに関するステータス」が必要条件を満たしていることを証明する必要がある、と決定した。

 

感染者数は比較的少なく(先週は1日平均3,777人)、国民の半数以上が少なくとも1回のワクチンを接種している(3分の1は2回接種している)にもかかわらず、このような状況になっているのである。

 

その結果、フランスでは予防接種を受けようという大きな動きが出てきた。ガーディアン紙によると、大統領による発表以来、フランス人は1分間に2万人のペースで予防接種を予約しているという。とはいえ、フランスには昔から「書類を提示させる」文化が根付いており、最初のロックダウン期間では外出する際に書面での許可が必要とされていた。

 

フランスではこのような対策が普通に受け取られるのかもしれない。しかしイギリス政府としては、このような圧力をかけることでワクチン接種率を上げる効果を期待している可能性がある。なぜなら6月16日の時点で成人の80%に対しワクチンの一回目の接種が行われていたが、1か月近く経った現在でも87.3%と伸び悩んでいるからだ。

 

今回の「再開」の動きでよくわかるのは、ジョンソン氏が再開に対し曖昧な態度をとっているということだ。ワクチンが効果を発揮していると信じるべきだろう。

 

5月のロックダウンのステップ3への引き下げ以降変異株のデルタ株人の交流が増えたことにより、感染者数は増加し続けている。しかしその増加率は下がり始めており、感染者数がピークを迎えてその後減少に転じるまでにはそれほど時間はかからないかもしれない。ワクチンを一回だけしか受けてない人や、まだワクチン接種の始まっていない若年層を中心に感染者が広がっている。

 

入院することになった感染者の多くは若年層で入院期間が短縮されたため、コロナによるNHSへの負担は冬季よりもはるかに軽減されている。全体的な死亡率は、人口の年齢構成の変化を考慮した場合、パンデミックが発生する前の2019年よりも低くなっている。これまでの1年間では、あの悲惨な冬を含めても、全体の死亡率は2012年や2013年、2015年、2018年よりも低くなっている。そうだとした場合、今でも非常事態に陥った時のように行動しているのはナンセンスだ。

 

ジョンソンは私たちに本当の自由を与えるというよりは、市民を規制する責任を企業や機関に転嫁しているにすぎない。たとえば大学では、秋からの学期でも多くの制限を設ける予定としている。格安航空企業はマスク着用を引き続き義務付けるとしている。スポーツのイベント会場では、コロナパスポートの提示を求める新しいガイドラインに従うことになるだろう。

 

ジョンソンが用いた「期待する」という表現の一歩先を読めば、公共交通機関やスーパーマーケットなどでマスクの着用を拒否する人は、マスクの着用を主張する他の人たちから非難を浴びる可能性がある。

 

一方で「フリーダムデー」のニュースに対する関心は下がり、必要に応じた規制の復活についての議論もすでに始まっている。

 

私たちは新型コロナウィルスと共生していく方法を模索する必要がある。過去17か月間のような、コロナに支配される生活を続けることはできない。しかしイギリス政府のように解放をグダグダと引き延ばし続けた場合、このパンデミックはいったいいつになったら終わるのだろうかと考える人は増え続けるばかりだ。

 

 

 

(翻訳終了)

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【コメント】

 

イギリス政府は相変わらずの偽善者っぷりで、大解放の日と言われる19日の変更によっても大差はあまりなさそうな様子。

 

私が気になったポイントをいくつか。

 

・イスラエルの例のようにロックダウン解除後の「コロナ急増」を懸念する勢力が強い

 

イスラエルでは、昨年12月に最後のロックダウンが開始されていましたが、ここも(当然ながら)ワクチンしているのに感染者が収まらず、結局ロックダウン再開したパターンのようです。

 

ワクチン接種の人が増えたら当然、体調を崩して検査を受けて(何かに反応して)陽性が出て、一部の人は亡くなり、それが「コロナ死」扱いされて「大流行」となっているという感じでしょうか。

 
「大規模なワクチン接種により、感染者・死亡者数が急増するケースが世界各地で起きている」

 

 

 

先日のフェイクニュースの記事ではまるで、ファーガソンが政府の暗闇の中で「ロックダウンを永久に」と指令を出しているような感じでしたが、実際には表舞台にも、市民の間にもロックダウン継続やコロナ対策を必死で求めている人も多く、そんな単純な話でもないかと。

 

 

・自粛的規制は求められるが法的規則は排除

 

つまり、イギリスが規制のレベルの点で日本の現状に近づくという感じでしょうか。

 

デルタ変異株の辺りから、屋外でも自主的にマスクを着用する人の数が一時激増していましたが、法的に強制でなくなった場合はお店などの施設でも強くマスク着用は強制できない、と私は都合よく期待しています。

 

日本と違い、法的規制がないのに従う必要はないだろうと考えるタイプの人の方が断然多そうですしね。ただよく日本語で「イギリス人はマスクをしていないから目覚めている!」と言っておられる方も多いようですが、マスクはしたくないだけで、ワクチンが出たら飛びつく人が多い(一回目の接種率が90%近く)のでその表現には違和感を感じます。

 

でも解放日の後には、安心してマスク着用の人も減るんじゃないかなと。

 

ただコロナ恐怖症の人と信じない人の間のいさかいはもっと増える可能性がありそうです。

 

またスポーツの会場などではすでに、「うちではパスポート制度導入はしない」と名乗り出ている場所もあるようです。ナイトクラブなどでも、ルールを厳しくすれば客足が遠のくため、稼げるうちに必死でこれまでの損失の穴埋めをしようとするところもでそうですしね。

 

すでにかなり政府に対する反感もひどいので、自粛程度の規制でどれだけの効果があるのかは今後明らかになるでしょう。

 

 

・イギリス、フランスでもワクチン接種が広がっているのに感染者数は減ってない

 

イギリスに多いデルタ変異株の症状が花粉症そのものだという指摘もありますが、ワクチン接種によって再増加している「コロナ感染者数」を、このミステリアスな変異株のせいにしちゃおうか!という世界的な流れがあるようにさえ思われます。

 
そもそもPCRでは陽性でも、それが新型コロナかどうかすらわからないのに、医師はどうやって「変異株」まで特定しているのか。。。

 

 

2021年1月までに、新型コロナウイルスの30万もの変異株が同定されました」

 

・・・変異株が30万種類ってすごいですね。。。というかもう一体、コロナウイルスってなんなのか。。いくつかの政府系のサイトでは、こういった「同定された変異株」の情報をまとめたページもみかけました。 

 

 

★イギリスの「コロナ・パスポート」はワクチンなしでもゲットできる!

 

春から始まった動きとして、スポーツなどのイベントへの参加条件として「コロナパスポート」の提示が実験的に行われていました。

 

注意したいのは、「ワクチンパスポート」ではないことです。

 

日本語での詳しい情報はこちら。

 

条件は、

・ワクチン接種済み

・最近のPCR検査で陰性

・一定期間以上の過去のPCR検査で陽性(感染により抗体が獲得されているものとみなす)

 

のいずれかを満たすことです。なのでワクチンを受けるつもりのない人でも希望すれば「コロナパス」はもらえる可能性があるということ。

 

ワクチンパスポートについては、予想通りに反発が大きすぎて(人道的でないなど)実現には至るのは難しそう。アメリカでも各州ごとに「うちの州ではワクチンパスポート制度は導入しない」と決定しているようですし。

 

日本では「国際社会に足並みを合わせて」ワクチンパスポート導入を狙ってきそうですね。どこの国でも導入に必死になっていますが、反対の勢力が強いのでどこまで実現されるのか。。

 

 

【追記】

コロナワクチンで強硬策を取ったマクロンでしたが、やっぱりフランス市民は大反撃🥰

 

こちらのFacebookページで、大暴れするフランス人の様子がご覧いただけます。

 

 

 

そうなんでも素直に、市民が政府の言われるがままになってると思うなよ👊 

 

世界中の市民の怒りはマックスになってますからね!