再掲載 はじまります: “内部被ばく”に迫る ~チェルノブイリからの報告~
放送 BS1: 8月6日 (土)0:00~0:49 「セシウム」が人体に影響を及ぼすメカニズムを探っている。
謎につつまれてきた「長期的放射能被害」に対して、国内の英知を結集して立ち向かう最新報告。
「“内部被曝”に迫る~チェルノブイリからの報告~」。放射線衛生学者の木村真三さんがチェルノブイリから
70km離れたウクライナの町ナロジチに飛んでいる。
ウクライナのナロジチ地区で最もよく食べられているものは、森でとれたキノコ類。
きのことジャガイモで作るペチェーニャ。若い夫婦は放射能汚染を恐れ、
子どもにはあまり食べさせないようにしている。
ナロジチ地区中央病院。カルテのデータを調べたところ、心疾患が事故前の6倍に増加。
木村さんが注目しているのは体調不良を訴える子どもたち。
事故後生まれた子どもたちは外部被曝を受けていないから内部被曝による影響と考えられる。
子どもたちは免疫力低下による疲労感に悩まされている。
スベトラーナ・ディートフさん。16歳の時に事故が。11年後に突然心臓発作。
心臓の筋肉に異常が起きていた。「体調はよくない。ちょっとしたことですぐ疲れる。
時には誰かに助けてもらわないと歩けないことも。お医者さんは具体的な原因は全く分からないと言います」腕に細かい斑点も。
スベトラーナさんは、ホールボディカウンターで体内の放射線量を測定。許容量は超えていない。
だが、体内から1980Bqのセシウムが出ていた。通常はゼロとなるはずの数値。 
肥田舜太郎さん。かつて「慢性疲労や脱力感が内部被曝の影響ではないか」という報告書を書いた。
「原爆ぶらぶら病」と名づける。現在ナロジチ地区の子どもたちに起きているのと似た症状。
だが、ぶらぶら病は内部被曝の影響として認められなかった。証拠不足だと。70年代以降研究が下火に。
ナロジチ地区の家族がふだん食べているキノコの放射線量を測定。116,000Bq/kgというとても高い数値が出た。
BSドキュメンタリー:内部被爆の悲惨さ。心臓に異常を感じ受診しても検査では異常なし。原因不明。
ウクライナ、キノコは25年経っても116000ベクレル?
ナロジチのキノコ、11万6千ベクレル/kg。空間線量5μSv/h。NHKドキュメンタリー 。
ナロジチ地区の家族の食事に含まれる放射線量を「陰膳法」により計測。一人分の食事を余分に作ってもらい、
それを測定する。ペチェーニャ20,000Bqを始め、トマトや黒パンなど全ての食品からセシウムが検出された。
1年で国が定める許容量の20倍もの内部被曝をすることになる。 
BSドキュメンタリー:25年後でも森の汚染は畑の約2倍。森のセシウムは循環し消えにくい。
調査の結果キノコは一切食べない方がよい。子どもには危険なレベル。
チェルノブイリ第2ゾーン、森で採れたきのこを食べてる。25年たっても、毎時5マイクロSv!
森は木が根からセシウムを吸い上げ、葉が落ち腐葉土になる。その為線量が下がりにくい。
11万6000ベクレル/kg「キノコ」ナロジチ地区:小さな原子炉と一緒→森が土壌汚染一番高くなる。
ナロジチ地区の子供達→細胞内のミトコンドリアの異常(低線量被爆によるものかもしれない)無力症等を引き起こすそうだ。
セシウム137の出す放射線の一つであるベータ線は体内で細胞の組織に障害を与える。
ナロジチの子どもたちには「細胞内のミトコンドリアの機能障害」があるが、それは内部被曝によるもので、
それが慢性疾患や疲労などを引き起こしている、と現地の研究者はみている。
人間と同じものを食べてきたナロジチ地区の豚を解体し、日本で放射線量を計測した。
豚の心臓には高い値で放射性セシウムが蓄積されていた。他の臓器からも次々に検出された。
今まで健康診断で平気だったのに、ボールボディカウンターで男性から5800ベクレルの放射能。基準より多い。
子供7000ベクレルで基準内。今の食生活を続ける限り、内部被爆が続いていく。終わり。
BSドキュメンタリー:セシウムのβ線が内臓臓器細胞にダメージを与える。ウクライナの現状、
豚の臓器に蓄積される異常なレベルのセシウム。そこに暮らす人からは58000ベクレル…汚染された土地に住み、
その地の物を食べていた結果。日本も同じ危機に置かれている。

上記簡易まとめ
・内部被曝について、ETV特集(福島の被ばく調査)でも放送された
 木村真三先生がウクライナの研究者と共同研究

・居住民の多い第2汚染ゾーン(ナロジチ地区)で調査を実施
 (地産地消型、自家消費型の食生活の人が多い)

・地元の病院に保管されたカルテを日本に送り分析した結果、心疾患が
 事故前の6倍に増えていた。(地区住民の3人に1人)

・院長も心臓病・ガンにかかる人が増えていると感じている。

・白血球の減少、免疫力の低下で疲労感・眠気・心臓痛・頭痛等の
 体調不良を訴える子供が増えており、その後、病気につながる
 ケースもある。
 (事故後生まれた子供は、外部被曝より内部被曝の影響が大きいと
  考えられる)

・IAEAは、甲状腺ガン以外の病気と内部被曝との関係は認めていない。
 (調査自体も困難な面がある)

・木村先生はそうした因果関係を調べるため、住民に聞き取り調査を実施。

・事故15年後、心臓痛や激しい動悸、激しい疲労を訴えるようになった女性。
 心電図検査で心臓の筋肉に異常、皮膚の斑点などが見られた。
 ホールボーディカウンターでは、セシウムが検出。
 (1980ベクレル:許容値内だが、通常はゼロとなるはずの値)。

・セシウム137は、ガンマ線、ベータ線を出しながら崩壊していく。
 内部被曝の長期的影響はわかっていないことが多く、今後長い年月を
 かけて調べていくしかない(広島原爆の調査は外部被曝メイン)。

・肥田舜太郎医師は、原爆事故時から内部被曝の健康被害を目にしてきた。
 (原爆ぶらぶら病・・・慢性疲労や脱力感→内部被曝の影響とは認められず)

・内部被曝の研究は長期の生物実験が必要で、費用対効果が悪く、
 ほとんど進められてこなかった。

・ナロジチ地区のキノコ調査:11万6000ベクレル/kgの放射能に汚染

・地元の人がキノコを採る森の空間線量:5マイクロシーベルト/hr
 (地元の人は塩茹すれば放射能が低減されると知人に聞き、食べ続けた)
 (森では土壌中セシウム濃度が高い:落ち葉→土→木→・・・のサイクル)

・陰膳法:1人分多く食事を作り、その放射能汚染レベルを分析
 →よく食べる料理(キノコ以外の料理含む)は、高レベルに汚染されていた。
   (最高2万ベクレル:ペチェーニャ(じゃがいも+キノコ料理))
 →この食事を続けると国の基準の20倍の被曝量になり、子供も大人も危険。

・木村氏は、こうした調査結果を国内の各分野の研究者に報告
 (しかし、人体への影響メカニズムを明らかにするには、データが
 不十分との指摘を受ける)

・ベータ線を出す放射性物質(セシウム137等)の動物実験
 (ベータ線は1cmの範囲で、高頻度で細胞の組織(例:セシウムが
 たまりやすい心臓組織)に障害を与える)

・ナロジチ地区の子供でミトコンドリアの機能障害が起きている研究論文。
 (現地の研究者は、子供の体調不良との関係を疑っているが、こちらも
  この研究だけでは、因果関係ははっきりしない)

・そこで、木村氏は、体内に蓄積したセシウムの動向調査を、前述の食事
 調査を行った家族と同様の食事をとっていた家畜(豚の内臓)で行った。
 →長崎大学の分析で、心臓から放射性セシウムが高レベルで検出
  (16.5Bq/kg・・・通常1日かけて検出するところ、わずか3分で検出)
  (他の臓器でも広く検出)

・前述の家族のホールボディカウンター結果
 →大人:2.4万~5.8万ベクレル(→基準値超:精密検査が必要と診断)
 →子供:7000ベクレル(基準値ギリギリ)

・チェルノブイリ事故後25年経った今も、人々の生活を脅かし続けている。