北海道から帰り、食事のコントロールで
お腹の調子も落ち着いていた。

先日の検査結果を受け、
もう来るとこまで来た感はあったが、
心の中では抗ガン剤はやらずに
何かあればその場の対処で乗り越えようと
決めていた。
とにかく、前回の抗ガン剤の経験から
副作用に耐えられる自信がなかった。

しかし、今回の北海道の状況、
見えない先行きを考えると決めかねる
ところもあり揺れていた。

念のためと、名古屋の自由診療の先生にも
相談に行った。先生の意見としては、
今の小腸の状態は楽観視できないとのこと。
万が一負荷が掛かって穴が開いたりした場合は
中々厄介な事になると…。このままでは
好きなものは食べられないよと。
だから、思い切って抗ガン剤に賭けてみる
のは無駄じゃないはずだよ。とのことだった。

ちょっと予想よりシビアな状況のようだ。
この先多少は食べられるようになり、
何かあった時はその時さ、と
高を括っていたが認識が甘かった。
主治医はそこまでの言い方はしなかったが
聞いて良かった。

しかし名古屋の先生も行ったばかりの
ころは、抗ガン剤は利権がどうの、
百害あって一利なしぐらいの言い方を
していたが考え方が変わっていったらしい。
なんだかなぁ…。
自由診療系の限界を見た気がした。

しかし、今回は、
結局本当の意味で信用できて頼れて
お任せできる医師なんていないんだなと
病気になって初めて知る事ができた。

医師だってすべての人の状況を
完璧に理解して、この人にはこれだ!
なんて断言する事はできないのだ。

それを患者様のお通りだ!
今すぐに治せ!だなんて…。
甘い認識をしていた。

病気を治す、付き合っていくのは自分。

あの人達はアドバイザーであり、
サポーターであった。

これから病に向き合っていく方たちには
そこを念頭に置き、医師の言う事に
一喜一憂せず、色んな意見を聞いて
冷静に対処していってもらえたらと思う。

信頼できるブログ仲間にも
相談し、貴重な意見をもらった。
とても前向きになれた。
どんな医者や本よりも、実際の
サバイバーの言葉が一番確かでありがたい。

そして、ぐりぐり考えた結果、
このまま好きなもの、まともなものを
食べられずに腸が閉じるのを待つのは
嫌だ。食べて詰まった苦しみも、
抗ガン剤の副作用の苦しみも同じなら
抗ガン剤を使って、小腸の癌を後退させる
ことを狙い、食べたいものを食べよう!
それで体力も付けて癌の進行を遅らせよう!
ということにしようと考えがまとまった。
ここまできたら美しい余命。
それが僕のテーマ。

しかし、これも抗ガン剤が効けばの話。
効かなければ結果同じではあるが
やらなきゃ始まらない。

一時は効いても効かなくなることもある。
初めから効かないこともある。
その時はまた別の抗ガン剤になる。
そうして副作用は強くなっていく。

その時、僕はどう考えるのだろう。
どこでどう折り合いをつけ決断するのだろう。
今考えてもしょうがない。
またその時、僕という人間が
試されるんだろうなぁ。

僕は自営業のため、仕事のたたみ方も
大いに頭を悩ます事項である。

念のため、信頼できる仕事仲間に
その時の引き継ぎ、受け入れ、条件に
ついてなど相談し、快諾をもらった。
感謝。少し方の荷が下りた。
そのための準備が大変だがびっくり

そして、病院に行き、
抗ガン剤をやる旨を伝えた。
使う薬はFOLFOX、
2週間に一回の通院点滴
&2日間の継続ポータブル点滴5FU
となった。

今回も、現状の受け入れ、考察、決断に
涙が溢れた。この病気になってから
泣いてばかり笑い泣き
泣きながら一歩一歩進んでる。
男としては情けないけど許してください。

大事な友人達にもすべて伝えた。
愛に溢れるみんなの気持ちを
聞かせてもらい、力強いエールをもらった。
喫茶店でおじさんが泣いたり笑ったり
異様な光景だっただろうな爆笑

さあ、後はやるだけ。
やってトンカツ食べるだけウインク


でもなるべく副作用でませんようにチュー