手術をした後、ネットで見つけたがん予防のジュースを毎日朝飲んでいた。そこには星野式ゲルソンジュースと書いてあった。

知り合いに、余命数週間と言われメキシコまで行き、ガンを手術でなく、食事療法で治した先輩がいる。その人がおこなったのもゲルソン療法というものだった。自分が癌になる大分前に話は聞いていたが、ゲルソン療法という名前は覚えていなかった。

色々調べていくと、多くの民間療法の源流がゲルソン療法にあることも分かった。

調べれば調べるほど希望の無くなる腹膜播種だったがゲルソン療法の話は数少ない気持ちが前向きになれる情報だった。腹膜播種にゲルソン療法が効くか分からないが、話を聞いてみない事には始まらないということで、星野式の星野先生のいる病院へ行くことを決め、同時にセカンドオピニオンを申し込んでいた。身近に状況は違うものの経験者がいたことも大きかった。

お金もかかるし、荷物も多いため、遠かったが車で向かった。嫁と色々なサービスエリアに寄りながらの楽しい旅路だった。私は感化されやすく、すでに食事療法を自己流で始めていたので何も食べられなかったが。

福島県は寒かった。雪こそ降ってはいなかったが、さすが寒さの質が違った。前日入りし、ホテル近辺をパトロールしたが美味しそうなお店が沢山あり、ここでも病気の自分を恨んだ。病気になってなければ間違いなくここに来てないけど。

次の日の朝病院へ行き、受け付けを済ましまずは講習から始まった。星野先生の実体験、他患者さんの事例、大変興味深かった。結果、足りない私には具体的なメカニズムを完全に理解することはできなかったが、期待した通り希望の持てる話だった。免疫療法についての話も別の先生からあり最新の治療法もすごいなと驚かされた。しかし金額が法外だった。午後は個別診察があり、私の現状を大変厳しい状況だと前置きされたが(ここで涙目)腹膜播種が治った例もあるから死に物狂いで頑張りなさいとアドバイスをいただいた。正しい(先生の考える)食事療法のやり方、質問などにも詳しく答えてもらいセカンドオピニオンは終了した。

話を聞いて安心するとか自信が持てるといったほどのことは無かったが、こういうやり方、選択肢があるということは分かった。

帰りの車では、現状についてかなり厳しい言われ方をしたお陰でそのことで夫婦共々恐ろしくなり、死をリアルに感じ、これまでの夫婦生活、子供のこと、家族のこと、そしたこれからの話など2人で大泣きしながら帰ってきた。そういう話にくい話ができたのも今回行って良かったと思えたことだった。

もう始めてはいたが、帰りには食事療法を中心に闘おうと決めていた。

抗ガン剤は癌をやっつけてくれるが、癌じゃない細胞もやっつけてしまう。内蔵に大きくダメージを与えることは実体験で分かってる。体を良くしたいのに免疫力を下げてしまう。食事療法はただただ自分の体をメンテナンスし本来持つ免疫力を取り戻し自分の体で癌と闘う。しかし効果は未知数。こう理解していた。

過去の経験から、抗ガン剤は体に良くない、もうやめてくれと心が叫んでる。しかも、根治はほぼないと。

食事療法は未知数ではあるが根治、しかも体にダメージの残らない形で根治する可能性がある。




とにかく、抗ガン剤はやらない。
食事療法中心にいくと心に決めた。