抗ガン剤のスケジュールは通院・点滴をし、それから2週間飲み薬(TS-1)を飲み、1週間何も無し、また通院・点滴といった3週間セットを繰り返すプランだった。

TS-1のまずさは厳しかった。単純なまずさと違い、何とも言い難い嫌な味だった。これを飲むと体にダメージがあるとわかっているがゆえに、それも加味していたのだと思う。

初めの頃は大したことなかった抗ガン剤も徐々に副作用が出始めていた。冷たさに超敏感という副作用は期間中代表的だった。普通の水が、氷でキンキンに冷やした水のように感じるとてもエコなものから、風呂床が氷になったような幻想的なものなど驚きと苦痛の連続だった。味覚障害も出た。これは感じ方が今までと違うだけで甘いのに甘くないとかそういうことでなく、全体が同じ方向に少し狂ったという感じだった。シビレは回を重ねるごとに強くなったが冷たいものに触らなかったり、衝撃を与えなければ何とかしのげた。予防的にも手袋は常にしていた。ちょうど冬真っ盛りなのも副作用を増長させていた。

しかし、一番辛かったのは点滴後数日のダルさ、吐き気だった。今までの人生でダルいなんていうことがほぼ無かったため、このダルいの厳しさを初めて知った。よく女性が生理中でダルいとかいうのもこんな感じなのだろうか。しかしダルいってほんと辛いですね。さらに吐き気も加わり仕事は寝ながらやっていた。この副作用の恐ろしいところは、体の炎を消してしまうことだと感じた。