我輩は鳥である。名前はぴーちゃんと名づけられた。安直な名だが、わりと気に入っている。

主人はいっちゃんと呼ばれている。幼稚園に入ったばかりである。1年ほど前、放浪のはてにたどりついた教会の庭先で、この主人に拾われ、命を救われた。相応の恩義を感じている。なかなか毎日笑わせてくれる。よく泣きもする。

いっちゃんには妹が生まれたようだ。たきぽんと呼ばれている。お世話をしてくれるのはママだ。ママはやさしい。苦手なのはパパだ。我輩の鳥かごをがさつにかきまわして掃除をしてくる。よく戦っているが、我輩とはいい勝負だ。パパはいつも先生と呼ばれている。書斎にこもって、よくうなっている。そんな家族とともに過ごす日々は、悪くない。