vol.676「レア音源レビュー:Aliene Ma'riage⑦」 | 俺のビジュアル道(笑)

vol.676「レア音源レビュー:Aliene Ma'riage⑦」

【週刊】俺のビジュアル道(笑)
Aliene Ma'riage「La Matinee」


1.La Matinee ~白昼の舞踏会~
2.FEAR
3.毒の華


KEY PARTYの稼ぎ頭だったゴスロリお人形バンドの、FC入会特典CD。


FC会員が全然集まらなかったのか…次作への繋ぎのような形で店頭販売もされました。
レーベル自体が自転車操業になっていたようで、ジャケは二つ折り、アー写は狂華のシルエット的な物だけ、歌詞は未掲載(ジャケの裏面は真っ白!)。歌詞は会報とかに載ったのかな?とりあえず、しょんぼりな作りです。


内容は新曲と、ライブでのみ演奏されていた未発表曲。


「La matinee」はエフェクトがかかったボーカルが歌うメロディと、絶叫シャウト×低音シャウトの掛け合いが印象的な、ハードコア風ギターリフで押しまくる2ビートの高速ハードナンバー。
シャウトの掛け合いや、メタルコア~ニューメタルにも通じるギターアプローチは、最終作「21st CENTURY」で聞けたエクストリームロック風スタイルの片鱗を伺わせています。
今聞くと実に刺激的なスタイルですが、当時は「こういうのが聞きたかったんじゃない…」となってしまったファンが多かったです。


「FEAR」も現代的な音使いのハードコア風スタイル。
メロディもなかなかキャッチー。ギターもピロピロ暴れまくっています。(しっかりとフレーズが弾けてるかは別ねw)
ビジュアル系のようなメロディやおどろおどろしい雰囲気を出すのではなく、ハードコアやパンクに通じるストレートなアレンジになってるのが、「ル・ソワレ」をテーマにしていた頃との一番の違いでしょうか。


「毒の華」はライブでのみ演奏されていた曲。ヘビー&メロディアスなギターが印象的なイントロから一転、ハードコア風ビートで突っ走るハードナンバー。
ボーカルには若干エフェクトがかけられていますが、メロディはなかなかキャッチーです。それ以上に、ボーカルのバックで暴れまくるギターが最高。緩急が付けられたギターソロも◎。
「見た目だけ」と言われがちなビジュアル系ですが、当時のコッテリバンドには、時々こういう突然変異ギタリストがいたのよね。
この曲に関しては、「SUICIDE」のような初期ナンバーに近い印象。(て言うか、ほとんど同じ展開してる)
後期楽曲はイマイチ…という方も、気に入る人が多そう。


なお、3曲ともドラムは打ち込みになっています。サイバーな印象も出し始めている曲調なので、違和感はそこまであるわけではないですが、音の軽さにつながっているので、生ドラムで収録して欲しかったなぁ…と。(特に#3)


まぁ、軽さもですけど、全体的に音像が不明瞭で、ボーカルもエフェクトがかかった部分は特に聞き取り辛いのはいただけない。
FC発足時に「CDプレゼント」を謳ったのに、1年近く完成できなかった焦りもあるかもですが…


今でも新品の在庫を持ってるお店があるくらい、当時から余り気味でしたが、値段は意外と下がらないアイテムになっています。
Aliene Ma'riageのCDとしては相場は高めですが、なかなかオススメです。


ちなみに、どれだけのFC会員が集まったのかは不明で、FC活動の内容も全く知られていません。
“FC限定”を謳った音源・ビデオが軒並店頭販売されていたところを見ると、会員はかなり少なかったようで、活動も「限定音源の先行販売」だけだった気が…(Ray・MASTのソロやライブCD等、本当にFC限定物もあったけど)