vol.638「レア音源レビュー:オムニバス」 | 俺のビジュアル道(笑)

vol.638「レア音源レビュー:オムニバス」

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…誰だよ!?


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VA「HOT INDIES BEST SELECTION vol.1」


1.Seed/ABYSS
2.World/クリス
3.夜想曲ノクターン/Clair de la lune
4.雪風の虫/COCK ROCH
5.JEWEL/カキ肉エキス
6.やさしさの海/Kreuz
7.クランケ/MUCC
8.For me/Risk
9.E・N・D/Sur-Prise
10.LOVE/しげる


茨城のローカルラジオ局の番組がプロデュースした、ご当地インディーズバンド(含:アマチュアバンド)を集めたコンピレーションアルバム。
時勢的にビジュ割合が高いですが、パンクやギターポップ、フォークなんかも入っていて、なかなか面白いラインナップです。


ただし、後々大成するのは、ご存知ムックのみ。


ABYSSは垢抜けないビジュアル系。
メロディアスなギターリフと、ダウナーなボーカルが印象的な、正統派ビジュアル系サウンド。音使いもなかなか良く、雰囲気が出ています。
サウンド面は及第点のB級ビジュバンだったので、メイクをもっと頑張って欲しかった!


クリスは普通のお兄ちゃんがやるギターロック。
ダウナーなメロディがなかなか良いです。
ミスチルのフォロワーな印象かな。


Clair de la Luneは、Shullaの前身かと思ったら、「la」が多いので、どうやら別バンド。白系ビジュバンです。
疾走感のあるバックにメロディアスなボーカル&ギターリフを聞かせます。透明感のある音使いも良いです。サビでテンポが変わるところは、なかなか面白いけど、もうちょっと自然にやって欲しいかな。
ボーカルラインが上がりきらないのがB~C級ビジュバンっぽいですね…


COCK ROCHはパンク~メロコアバンド。
Bメロで早口なボーカルを入れて緩急をつけていますが、基本はド王道一直線なアプローチです。
また、そのBメロが歌えてなさすぎなんです。(笑)
低音が抜けない声でボソボソ言ってるのが惜しいですね。サビで声を張り上げたらちゃんと前に出るので、そこへ行くまでがあまりにもダメすぎ。


カキ肉エキスは…パンクかと思いきや、結構普通のサウンド。
'90s J-Rckな印象。Ziggyとか近いのかな…LUNA SEAとかの王道ビジュっぽいアプローチもあるし…良い意味で「当時多かったバンド」。
名前で損してます。(笑)


Kreuzはインナーに写真もありません。
サウンドはビジュ。白系っぽいです。
透明感のある音使い、中域がしっかり出る伸びやかなボーカルはなかなか良いです。Bメロで入るキメキメのフレーズも、曲に上手くアクセントをつけていてかっこいいですね。


MUCCはご存知、現在のビジュシーンの中核を担うバンド。
当時はダウナーな印象のバンドで、昭和歌謡の要素を上手く取り入れたメロディと、時々差別的表現が入る“サブカル”っぽい歌詞が印象的な、いわゆる「密室系」でした。
「クランケ」は当時の楽曲に多かった、ヘビー&スピーディなビートにキャッチーなメロディを聞かせるナンバーです。
達郎らしい抑揚を上手くつけたメロディ、Bメロで聞かせる「昭和歌謡」っぽい展開…と、当時のムックらしさを、わずか2分あまりの短い時間で一気に聞かせています。歌詞も、今なら発禁間違いなしな表現満載。


サウンドは軽いながらも、ハードコア~メタルにも通じるヘビーなアプローチは、今のスタイルに通じる物もあり、極初期のナンバーとは言え、その後、ムックが歩むスタイルの全てが詰まっているともいえます。
結成時で既に目指すスタイルを見極めていたこと、それを既に形に出来ていたことは、非凡な才能の片鱗を見せていたように思いますね。


…まぁ、今のムックを知った上で聞いているからの評価かもしれないですが…


当時このスタイルに惚れ込んでいたので、たぶん評価は変わらないか。



Riskも垢抜けないビジュアルのバンド。
アップテンポでキャッチーな、“あの頃の”V-Rockを聞かせてくれます。
ボーカルが強烈な鼻声ですが、声質が軽くなって回転数間違えた松岡充(SOPHIA)くらいに思えば聞けます。
ただ、垢抜けないなりに、ダークな雰囲気のビジュアルで、こんなアップテンポで、“ポップ・ロック”と呼べそうなサウンドなのは、ビジュアルとマッチしてないですね…


Sur-Priseは、ビジュ全盛期の時流に乗って、軽くメイクをしたバンド。
ビジュはイマイチですが、サウンドは正統派V-Rock。
ボーカルラインがコード進行どおりでイマイチ抑揚がないのが残念ですが、ギターリフは疾走感がありなかなかかっこいいです。


まぁ…なんていうか…この頃よくあった、LUNA SEAを目指したけど色々と足りないものがあって残念な印象になったバンドって感じです。
ギターは良いんですよ?


しげるはアコギを持ったお兄さん。
アコギ一本での弾き語りで、フォーク・ポップという感じのソフトな印象のナンバーです。
ゆずや19よりは、コブクロが近いかなー。あの頃多く出てきたスタイルですが、なかなか良い線行ってます。こういうジャンルは、最後は「聞くべき人」が聞くか、なんですけどね。路上で歌ってただけで終わった人の中にも、かなり上手い人はいたんですよねー。
昔は終電後の新宿ガード下とかでずっと歌ってるお兄ちゃんとかいたけど、今もいるのかな??


いちおう、Kreuz、ABYSSはヘビーなビジュバンスキーにオススメできるバンドですね。


それでも、目玉…というか、唯一の聞き所になるのは無名時代のムックの超貴重音源。
再録もされない完全未発表曲で、リリースも関東圏で極少数だったため、10年ほど前は諭吉クラス確定のレア音源でしたが…今は…出てくることがなくなったため、市場価格はイマイチよく分かりません。
そもそも、昔のレア音源とか、欲しがる人少ないもんね…


今でもレア音源だと思ってるけど。




とは言え…



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このバンドが、武道館~幕張メッセを埋めるバンドになろうとは…



…ていうか、屋外撮影ってことは…




達郎さん、体張ってますっ!!!!



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