昔々あるところに
こんな犬達がいました

という内容のブログです。






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2016-07-14 19:57:29

日光(やんごとなき犬)

テーマ:犬籍簿・名犬と忠犬

生年月日 明治12年頃

犬種 日本犬

性別 不明

地域 栃木縣

飼主 アルベルト・ヴィルヘルム・ハインリヒ氏

 

ハヰンリヒ親王殿下の海軍少尉たりし御時、本邦にご來朝あらせられしは、今より二十年の昔なりけるが、予が家は兼て栃木に写真業を開き居りしを、
たま〃流行病を避けむとて、郷里日光に引移り、父が目慣れたる山水廟社を撮影し折りなりき。
然れば殿下の日光御賞遊中、男體行人に御異装あり。一行五名にて写真業あらせらるゝ際、幸榮にも御命を拝しぬ。
然るに是と前後して、當時三歳の予が最愛の一疋の狗兒、九死の危きに陥りたるを、天資英邁にして御仁恵深き殿下の御手に、救助せられたる事ありき。
其狗は即ち殿下の御愛犬「日光」なるか、此事實は古今稀有の一奇談にして、又一美事と云ふべかりし。
故に殿下が再度の御來朝に接して、何となく當時の忍ばるゝまゝ、左に大要を録し、且つ父が写し撮りたる一行の真影を添へて紀念を表すと伝ふ。

予が住家は日光八景の一なる上鉢石の街灯にして、絵の如き朱欄の神橋、飛龍の如き大谷の激流を坐ながらながめられ、結構美を盡したる山内へも最と近かがりしかば、予は僅かに三歳の折柄なれば、母が膝下に餘念なく遊び暮して少しの退屈も覚ゑざりき。
或日、まだ乳房はなれぬ狗兒の、下馬の一隅に捨てありしとて、近所の兒女が持來るを見れば、ムク〃と肥ゑ太りたる三疋の狗兒にして、呱々として其が乳母を索るる様
如何にも可憐なり。
さるほどに家内のもの哀を催して、今は無情に逐ふに忍びず、寧ろ幼き子の為めに、よき友とらせむとて、其まゝに養ひぬ。
予が喜びは如何斗りか、傍近く抱き寄せては、三度の食以外に、菓子など與へつ、三疋の狗兒が踊り狂ふ様を見ては、己も踊りて娯みけり。
而して其が三疋のうち予は人の好まざりし黒斑を、いたく気に入りて、己が所持と寵愛しゝも、後にぞ思ひ當る不思議の縁因なれ。
其より三四月を過ぎて、予が寝覚めの心地勝れざる折なりき。
母には大谷の向岸に、御滞在の獨逸皇族一行の霧降より帰り來らるゝを認めけるが、御弱年の殿下只御一人、本宮坂の彼方より従者を残して、御足早に走らせ給ひしかば、母は何か仔細のなからめやと、予を背負ふて戸外に出ぬ。
殿下には此時疾く假橋を渡りて、三十間あまり岸邊を下られしが、何か水面を御指し、向の従者と問答しつ、屹と瞰下す御顔は、金玉の御身を忘れて、高さ五十尺餘はて
の断崖上より、激湍奔流の淵に抵らむず勇邁なる御気色、あまりの事に驚きし母は、不信の眉に淵を見やれば、アゝ無残、何れ小兒の悪戯なるべし、浪音荒ましき汀に捨てられたる狗兒の只一疋、聲を限りに泣き迷ふこそ、まがふ方なき予が最愛の斑犬なり。
されば予等いたく驚きたれど、婦人小兒の詮術なく、尚も殿下の御挙動如何にと見参らすれば、殿下の雄々しき、さしもの断崖に御身を躍らし、軈て可憐の斑犬を難なく救ひ上げ給ひぬ。
其より殿下には狗兒の不幸を憐み、御身を自身に御飼養せらるゝ御意なりけむ。
遥か隔てゝ控へたる予等に御用意深くも御意を傳へて、従者もろとも御帰館あらせられき、九死の淵より高貴の御手に救はれし斑犬こそ身にあまる光栄なれ。
殿下御帰館のゝちは、乳よ肉よと畜生に過分の美食を與へられしと洩れ聴きつるに、彌々日光御出發の際は、綿を敷きたる筺中に入りて送られき。
當時此事を傳へたる町民は、何れも殿下の天資御勇邁にして御仁恵の深きを称へ奉らざるはなかりき。
扨ても其のち、五年十年と多くの歳月を送りし間、談話の此事に及びしを、幾度と云ふを知らねば、一旦忘れ果てたる予も當時を追懐して、殿下には其の後ます〃御勇壮におはすらむ、斑犬も豆めで幸福なるべしなど徒に想像を畫くに過ぎざりき。
然るに二十年の星霜を経たる今日此頃、殿下再度の御來朝に接し、新聞紙は此間の消息を傳へられぬ。
今や殿下東洋艦隊に司令官長として、沈毅の御名高く、世間の人鎧袖親王を以て称へらるれど、明治十二年親しく此事實を拝観したる予等は、其時既に今日あらせらるべきを推し奉れり。
さはあれど、一旦愛でたる斑犬の、殿下の御傍近く飼養せられて、後には伯林の動物園に入り、萬里の海外に日本犬を代表すべしとは想ひ寄らざりき。
あはれ天下又と「日光」の如き光栄ある犬のあるべきぞ。

 

片岡武「獨逸皇弟殿下の御愛犬」より 明治32年

 

東洋艦隊の海軍士官候補生だったハインリヒ・フォン・プロイセンは、明治12年からたびたび日本へ寄港しています。

日本では狩猟や旅行を楽しんだようですが、そこで拾った仔犬をドイツへ連れ帰ったというエピソードは初めて知りました。
初期にヨーロッパへ渡った和犬の、貴重な記録でもあります。

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2016-07-07 23:53:38

チビ公日記

テーマ:犬の漫画/絵画

昭和10年

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2016-07-07 23:52:47

ワンワンバラエティー

テーマ:犬の漫画/絵画

昭和10年

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2016-07-07 23:50:09

チンドン犬

テーマ:犬の漫画/絵画

昭和10年

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2016-07-07 23:49:16

レヴューガール

テーマ:犬の漫画/絵画

昭和10年

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2016-07-01 07:06:34

2016年7月度月報

テーマ:近況報告

戦後70周年を迎えた昨夏は、イロイロと困惑することばかりでした。
銃後犬史の記事だけ見た人から「毛皮のブログ」と勘違いされたり(これはキツかった)、それでも日本人かとお叱りを受けたり、お前は戦時を肯定するのかとお叱りを受けたり、表に出ていない部分では結構アレだったんですよ。

スマホからの閲覧が多くを占める現在、近代犬界事情を100近くのカテゴリに分類した意味とかも察していただけないワケで(PCモードじゃないと画面表示されないの)。

だから誤解されるのも仕方ないのか。時代背景を説明することすらアカンのか。

単なる犬のブログに、ナニを求めていらっしゃるのでしょうか。よく分からなくなってきました。
先方には悪気がない、というかむしろ評価してくださってのコメントなのですが、コチラとしてはどうにもこうにも。


いい加減懲りたので、今年はコメント欄を閉鎖いたします。銃後犬史の13分割縦深陣地化も一段落つきましたし。

 


現在は戦前の児童教育資料を調べている最中ですが、どうやって犬と絡めたものか。「軍国教育ガー!」で全てを片付ける思考停止もイヤだなあ。

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2016-06-29 22:09:27

バロン(警察犬)

テーマ:犬籍簿・警察犬

生年月日 昭和8年生まれ

犬種 シェパード

性別 牡

地域 東京府

飼主 持田清一巡査

 

持田父子とバロン

 

夏の夜がホノ〃明けようとする頃、赤羽放水路閘門近くの荒川で、浴衣掛けの元気な青年が、シエパードの水中訓練を行つてゐる。

河原の雑草の朝露は蹴散らされ、颯爽たる若いシエパードは「前進」の聲で勇敢に川面を泳いで行く。

青年と犬の他、この茫漠たる河原に人影もない。天地静寂、たゞ犬が蹴る水沫の音と、青年の命令の聲が聞えるばかり。

青年は毎朝荒川の河原に現はれて、シエパードの訓練を行つてゐる。生ひ茂つた草叢を活躍の舞臺として、「捜索」もやれば、草の薙いだ平地を選んで「跳躍」「前進」「伏せ」の訓練が見事にやつてのけられてゐる。青年も熱心なら犬も一生懸命、もし早起きの人があつて、 閘門 近くを歩くなら、誰れでもその熱心な訓練振りに足を止めずにはをられまい。

この青年は王子區荒川沿岸中之臺駐在所の巡査の持田清一氏。

シエパードは愛犬「バロン」牝十四ヶ月。勤務の忙がしいのに、毎朝この猛訓練では、およそ、その熱心振りが窺はれる。

 

一人勤務の駐在所は他所目にはノン気に見えて、その實責任は又重い。事務と巡廻は晝夜あつて、家庭人にかへる時間はホンの僅かしかない。その僅かな時間を割いて犬の世話と訓練に當らねばならぬので、持田氏の多忙や甚だしい。

犬の時間を如何に作り出すか、氏の愛犬談はまづ此處から始まる―。

 

「どんなことがあつても、勤務時間に支障を來してはなりません。そこで犬の訓練は朝早く起きて始めることにしました。

午前四時には必ず起して食餌の世話から訓練を行ひ、午前七時には一切を終つて、あとの一時間が新聞を見たり、食事に當てたり、仕事の用意に取り掛つて、午前八時からは正常な勤務にはいるのです。無駄な時間は一刻もありません。晝の勤務が終るのが午後五時。食事を済ませて、犬の運動です。

昨年の八月、神谷橋の駐在所からこの新築の中之臺駐在所に移りましたが、此處は直ぐ後ろが荒川の土手。川を越えれば大堤防があつて、廣大な堤防の向ふには放水路が洋々と流れ、水あり平原ありで、運動や訓練には絶好の場所です。

夜は巡廻が三時間ありますが、これは何時行ふかは全く不定で、宵の内行ふかと思ふと、深夜行ふことがあり、夜明にかけて歩くといふこともあります。ですから時間によつては、巡回の時間が訓練の時間にその儘續いてしまふこともあり、實に人知れぬ苦労をする時があります。

私の訓練時間は、こんな風に早朝を選んでやるので、いつの間に仕込むのか知らない人が多いのですよ」

愉快さうに笑つて團扇が、かすかに動く。

 

「私がシエパードを始めた動機ですか。一つ優秀な警察犬を作つてやらうといふ念願からです。警察犬のトツプを切る意気込で、全力を挙げての訓練なのです。

警察犬の必要は今更云ふまでもないことですが、これは實際にその力を発揮しなければ人は承知しません。そこでその性能の發揮に努めてゐる譯ですが、巡廻の時連れてゐると、確かに効果は認められます。

犬が若いので、連行を始めたのはこの春からですが、既に一回犯人を検挙したことがあるのです。

それを詳しく話せといふのですか。一寸困りましたな。事柄も大したことではないので―。

ま、これはお預かりとして、その内これはと思ふ手柄を立てるまで待つて頂きませう。

連行は夜間巡廻の時だけで、綱なしの連行です。私が道順を追ふて歩いてゐる内、犬の方は枝道細道を縦横に歩き廻つて従いて來ますから、闇い露路に潜伏した怪漢など、わけなく嗅ぎ出してしまひます。私の思ひますのに、警察犬は何も犯人の捜索ばかりが能でなく、路地などに隠れた怪漢を見つけ出すといふことが世間に知れるだけで、豫防警察の上から見て大きい効果があると思ひます。未然に犯罪を防ぐといふことは非常に大切なことです」

 

駐在所の右手寄り、お住居の玄関前に犬舎が置かれ、バロンは主人公と記者との對談に耳澄ます様な顔つきで座つてゐる。

「バロンの身許は?」

氏に對してこれは誠に位置順倒の質問である。

「友人を介して市役所の方から譲つて貰ひました。さらに愛玩犬としてでなく、訓練を施して實際に役立てやうとする此方の気持を先方も喜んでくれました。使役犬は飽くまで使役犬で、今後も訓練を續けて行きたいと思ひます。

単なる番犬とするなら使役犬より狆などの方がむしろよく吠えてくれ、怪しい者を追拂ふには、経験上狆などがよいと思ひますが、追拂ふばかりでは私共の立場としては困るので、色々研究した末、シエパードならと思つてゐたのです。

どうやら訓練が進み、今後を楽しみにしてゐます―」

氏のこの努力は竟に實を結んで、先日の帝犬の基本訓練試験には一流訓練家に伍して、見事Zpr(※種族訓育試験)の試験にパスしたのである。

記者が氏を訪問したのは、夜の勤務が正に始まらうとする夕暮の一つ時で、犬の運動から帰つて、あわてゝ夕食を掻つ込んだ氏とのスピード・インタヴユウだつた。

「どうもお忙しい思ひをさせまして……」

「いや……いつも時間がないので……」

 

「荒川放水路に暁の猛訓練」より 昭和9年

 

直轄警察犬が復活する昭和12年までは、このような警察官のペットたちが犯罪捜査で活躍していました。

 

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2016-06-28 21:27:41

ボニーボーイとルビー夫妻(種犬)

テーマ:犬籍簿・ペットと番犬

生年月日 不明

犬種 エアデール

性別 つがい

地域 大阪府

飼主 古橋喜男氏

 

ボニーボーイはボニーサンの父親です。

もしかしたら3年後に出征したボニーサンが、この写真に載っているうちの一頭かもしれません。

http://ameblo.jp/wa500/entry-11502300754.html

 

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2016-06-28 21:23:17

隼(天然記念物)

テーマ:犬籍簿・名犬と忠犬

生年月日 昭和6年生まれ

犬種 秋田犬

性別 牝

地域 東京府

飼主 中村邦光氏

 

ハチ公の同族だそうで。

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2016-06-28 21:17:54

富士(種牡犬)

テーマ:犬籍簿・ペットと番犬

生年月日 昭和9年岐阜生まれ

犬種 日本犬

性別 牡

地域 東京府

飼主 吉田登氏

 

昭和10年ごろから、日本犬愛好家にも軍用化訓練に取り組む人が現れます。

もちろん、日本陸軍からは相手にされませんでした。

 

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