本題に入る前に。
今日、3月11日は東日本大震災からちょうど1年となる日です。
改めて、犠牲になられた方に冥福を祈るとともに、復興に向けて一層の努力をしていくことを誓いたいと思います。
去年の今日、私は駅でダイヤ改正に向けての作業をしていて、大きな揺れに襲われました。
輸送指令への被災状況の報告や、お客さまの避難誘導や案内業務に追われて、あっという間に一日が過ぎた記憶があります。
その後の計画停電で、電車の運行本数が制限され、夕方のラッシュ帯のお客さま案内や、ホームでの列車監視業務がとても大変でした。
しかし、今になって思えば、大変な業務ではありましたが、鉄道員として、とてもいい経験が出来たと思います。一人の鉄道員として、とても成長できたと思います。失うことの多かった震災で、数少ない「得たもの」です。
首都圏での大規模地震が4年以内に70%の確率で発生すると言う報道があります。あれから1年、仕事は駅社員から車掌に変わりました。しかし、鉄道員であることに変わりはありません。もし乗務中に被災したとしても、東日本大震災での経験を生かし、お客さま、そして自分の命をしっかりと守れるように頑張りたいと思います。
さて。
前置きが長くなりましたが、本題です。
先日、第6回の声優アワードの受賞者が発表されました。今年は、車掌の見習い業務に忙殺され、恒例の予想をしている暇がなかったので、受賞者についての私見を述べることにします。以下、文章中の声優の名前に関しては、敬称略です。なお、コメントに関しては私の嗜好の都合で、女性声優偏重になることをあらかじめご了承ください。
[主演男優賞] 平田広明
[主演女優賞] 悠木 碧
[助演男優賞] 木村良平・宮野真守
[助演女優賞] 加藤英美里
[新人男優賞] 江口拓也・松岡禎丞
[新人女優賞] 茅野愛衣・三上枝織
[歌唱賞] ST☆RISH(寺島拓篤・鈴村健一・谷山紀章・宮野真守・諏訪部順一・下野紘)
[パーソナリティ賞] 井口裕香
[特別功労賞] 小林修・滝口順平・渡部猛
[功労賞] 麻生美代子・肝付兼太
[シナジー賞] イナズマイレブンシリーズ(竹内順子・寺崎裕香)
[富山敬賞] 堀内賢雄
[高橋和枝賞] 戸田恵子
[海外ファン賞] 櫻井孝宏
[キッズファミリー賞] 大谷育江
[最多得票賞](新設) 神谷浩史
[特別賞] 絵本読み聞かせキャラバン隊 川上とも子
全体的に、納得の行く受賞者が揃っている感じです。各賞について、述べていくことにします。
主演男優賞。
前回は「該当者なし」と言う淋しい結果でしたが、今回は平田広明が受賞しました。
何といっても、今回の受賞の要因は「TIGER&BUNNY」(以下、タイバニ)のワイルドタイガー役でしょうね。タイバニは、男性・女性問わず人気が高く、雑誌等においても非常な高評価を受けていました。
残念ながら、私自信はタイバニを視聴していないため、タイバニにおける平田の演技を論じることができません。ただ、私は平田と言えば、「デジモンアドベンチャー」のレオモン役が非常に印象に残っています。
声質は、綺麗な低音でヒーロー声と言うよりも渋いキャラクターが似合う声で、「カッコイイおじさん」って感じですかね。こんなおじさんになりたいものです。
タイバニ人気と、これまでのキャリアを考慮すると、今回の受賞は至極妥当なものだと考えます。
主演女優賞。
今回は、私の推している声優の一人、悠木碧嬢が受賞しました。(今さらながらの注釈ですが、私はこのブログにおいて、推している女性声優は名前の後に「嬢」をつけることにしています。)
悠木嬢は、2011年はヒロインを数多く演じ、まさに「主演女優」に相応しい活躍でした。
その中でも、「魔法少女まどか☆マギカ」(以下、まどマギ)での鹿目まどか役が印象に残っています。まどかと言えば、アニメファンだけでなく、一般の方からも高い評価を得た、まどマギのヒロインです。魔法少女の存在意義と、その葛藤に悩む少女の役を見事に演じきったと思います。もともと、アニメ声と言うよりは、リアルな「少女声」なので、作品にリアリティを吹き込み、一層質の高いものにしたと、個人的には評価しています。
他にも、アニメファンから非常に高い評価を得た「GOSHICK-ゴシック-」でのヴィクトリカ役、女子高生のほんわかとした日常を描いた「Aチャンネル」でのトオル役など、印象的な少女を多数演じ、若手声優の中でも頭一つ抜けた感があります。
安定した演技力、特に少女キャラクターの「感情」の表現力は若手随一だと思います。これから先、男の子の役なんかが増えてくると、縁起の幅が広がり、「第2の沢城みゆき」になりえるかもしれません。逸材の成長に、大いに期待したいです。
どうでもいいことですが、悠木嬢は私と誕生日が一緒なので、親近感があるんですよね。本当にどうでもいいことですが。
助演男優賞。
木村良平と宮野真守の2人が受賞しました。
木村は、個人的には助演と言うよりも、主演の印象が強いですね。「僕は友達が少ない」の羽瀬川小鷹役、輪るいピングドラムの高倉晶馬役など、主役を多く演じています。
さわやかな好青年が似合う、いわゆる「イケメン声」な印象ですね。
申し訳ないですが、あまり彼の演じる役を聞いたことがないので、これ以上コメントが出てきません。申し訳ありません。
宮野は、第2回で主演男優賞も受賞している、人気声優。宮野もどちらかと言うと、主演の印象が強いですね。
その安定した演技力で、2011年も数多くの作品にレギュラーで出演しました。女性からの支持が圧倒的で、現時点では、ナンバー1男性声優なのかな、と言う印象です。
「ポケットモンスター ベストウイッシュ」では、デント役でレギュラー、「イナズマイレブン」でも、吹雪士郎役でレギュラーと、キッズ向け作品でもよく声を聞くようになり、アニメファンだけでなく、子どもたちにも馴染みの深い声優なのかな、と思います。子どもたちに知られるようになったら、それこそ超一流の証だと思います。
助演女優賞。
加藤英美里嬢の単独受賞となりました。助演~賞の単独受賞は史上初です。また、加藤嬢は第2回で新人女優賞も受賞しています。
加藤嬢の2011年の最も印象的な役と言えば、「魔法少女まどか☆マギカ」(以下、まどマギ)のキュゥべぇ役でしょう。
まどマギは個性的なキャラクターがたくさんいましたが、その中でもひときわ強烈な個性を放っていたキュゥべえ。可愛い外見で、魔法少女モノによくあるヒロインとともに行動するマスコット動物キャラかと思いきや、実は黒幕に近い恐ろしいキャラクターだったと言う衝撃的な動物キャラでした。「僕と契約して~」のフレーズはアニメファンを中心に流行語にもなりました。
可愛い声で、冷酷・残酷な言葉をさらっと言い、視聴者に衝撃を与えたその演技は、まさに助演女優賞にふさわしいと思います。
以前は「らき☆すた」の柊かがみ役の印象が強くて他の役は出来ないとまで言われていましたが、今や動物、男の子、大人の女性も演じ分ける演技派として高い評価を受けるまでになりました。やはり圧巻は、「バカとテストと召喚獣」の秀吉と優子の姉弟の演じ分けですかね。
歯の矯正を終え、雑誌の写真などでも歯を見せて笑うようになり、女性としての魅力も高くなったとの声もあります。今後、ますます活躍していきそうな、楽しみな声優の一人です。
新人男優賞。
江口拓也と松岡禎丞が受賞しました。
江口は、「GOSHICK-ゴシック-」の久城一弥が評価されての受賞と思います。実際の演技を聞いたことがないので、これ以上のコメントがありません。申し訳ありません。
松岡は、「神様のメモ帳」の藤島鳴海役が評価されての受賞と思います。頼りなげなニート寸前の男子高校生ですが、内にはしっかりとしたものを秘めている、鳴海役を好演したと思います。ラジオやイベントでの、喋り慣れしていない、テンパり具合が微笑ましかったです。これからに期待が持てる声優だと思います。
新人女優賞。
茅野愛衣と三上枝織が受賞しました。
茅野は、2011年に大ブレイクした声優。リラクゼーション関係の仕事から声優に転身した、異色の経歴の持ち主です。
何といっても、2011年のアニメで最高傑作とも言われる「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のめんま役が印象に残っています。個人的にも、あんなに感動した作品はなく、それはメインヒロインであるめんまを演じた茅野の演技によるところが大きいと思っています。
話題作「ギルティクラウン」でもメインヒロインの楪いのり役、「神様ドォルズ」でもメインヒロインの史場日々乃を演じ、一躍ヒロイン声優として名を馳せることとなりました。
容姿のレベルも非常に高く、声優雑誌で表紙を飾ることもあり、今後声優界を担っていくであろう存在だと思います。
三上は、「ゆるゆり」の赤座あかり役でブレイクした声優。第2回の声優アワード新人発掘オーディション合格者で、「声優ドリーム」を掴んだと言えるでしょう。
ソプラノの甘い声が特徴的で、いわゆる「アニメ声」という表現が一番しっくりくるのかなと思います。茅野と違い、出演作自体はあまり多くないので、これからどんどん「成長」していくことを見込まれての受賞なのかな、と思います。容姿のレベルも高めで、顔出しもしているので、アイドル的な売り方をしていくかもしれませんね。
歌唱賞。
ST☆RISHが受賞しました。男性の受賞は史上初です。
ST☆RISHは、「うたの☆プリンスさまっ♪」の主演男性声優で組まれたユニット。同作のエンディングテーマを歌唱していました。
女性ファン垂涎の面子且つソロ名義で活動することもある、歌唱力の高い面子を揃えたユニットであり、歌唱賞受賞も納得です。
パーソナリティ賞。
井口裕香嬢が受賞しました。
私は、彼女が中学生の頃(G.G.F.在籍時)からファンなので、個人的に非常に今回の受賞は嬉しく思います。
パーソナリティ賞での受賞ですが、個人的には女優賞での受賞もおかしくないと思います。デビューのころのたどたどしい演技から知っているので、「まよチキ!」の近衛スバル役における男装声と美少女声の演じ分けに、彼女の成長と、努力を非常に感じました。
声優雑誌でのグラビアを見かける機会も多くなり、美貌に磨きがかかっているのが分かります。中学生のころはまさに「美少女」でしたが、今は「女性」として非常に魅力的に思います。井口嬢は学年が2つ下なので、よく面倒を見ていた後輩が立派に成長したなぁ、と言う感じです。これからの活躍、一層の期待をしたいと思います。
特別功労賞。
小林修、滝口順平、渡部猛の3人が受賞。小林・滝口は2011年、渡部は2010年に亡くなられています。
小林と言えば、私のイメージは「宇宙戦艦ヤマト」のドメル将軍。低く通るその声で、地球軍にも敬意を払う、器の大きいガミラスの将軍を演じました。
「吹き替え」の草創期から活動をしている、声優界の重鎮です。
滝口は、言わずと知れた「ヤッターマン」のドクロベエ。アニメではありませんが、「ぶらり途中下車の旅」のナレーションも長く務めていました。一度聞いたら忘れられない、特徴的な声で、おそらく日本人なら一度は聞いたことがあるのではないかと思います。
世間ではドクロベエがズームアップされますが、「タイムボカン」でペラ助、「ゼンダマン」ではアクダライオン、「オタスケマン」では東南長官を演じており、タイムボカンシリーズで欠かせない声優の一人でした。ペラ助役では歌も歌っていた、と言うのはトリビアですかね。
渡部は、悪役のイメージが強い声優ですね。特に、特撮で怪人の声を多数演じており、特撮ファンなら一度は聞いたことがある声だと思います。
そして、アニメでは何といっても「ドラえもん」の神成さん役でしょう。空き地の隣の家に住む頑固親父の怒鳴り声は、「ドラえもん」を見たことがある人なら一度は聞いたことがあると思います。
3人とも亡くなられてしまった方々で、お声が聞けなくなってしまったのは本当に残念ですが、この受賞で、人々の記憶に刻まれるのであれば、声優ファンとして、非常に嬉しいことだと思っています。
功労賞。
麻生美代子と肝付兼太が受賞しました。
麻生は、4月には86歳になる、超ベテラン声優です。日本人なら、麻生の声は、絶対に一度は聞いたことがあるはずです。
麻生美代子の名を知らなくとも、「サザエさん」のフネさんと言えば、ピンとくるでしょう。他にも、「アルプスの少女ハイジ」のロッテンマイヤー役、「らんま1/2」のコロン役などを演じています。
フネさんを40年演じた、その事実だけで、日本のアニメーションに多大な功労があったことは火を見るよりも明らかです。その衰えのない声で、これから先もフネさんを演じ続けてほしいです。
肝付も、麻生同様、日本人ならおそらく聞いたことのあるであろう声の持ち主です。
「ドラえもん」の先代のスネ夫役と言えば、ピンとくると思います。今も「スネ夫の声」と言えば、肝付の声を想像する人が多いことでしょう。意外なことに、日本テレビでやっていた「初代」ドラえもんでは、ジャイアンを演じていました。
他にも、「銀河鉄道999」の車掌役、「それいけ!アンパンマン」のホラーマン役なども演じています。独特の低い声がとても印象的です。特に、藤子作品に多数出演し、藤子・F・不二雄氏から重用されていたことが分かります。
近年は、後進の育成に力を入れられているようです。また機会があれば、車掌なんか、聞いてみたいと思います。
富山敬賞。
堀内賢雄が受賞しました。
個人的には、母親がネオロマンスファンだったので、「アンジェリークシリーズ」のオスカー役の印象が強いです。他には、ディズニーのキャラクターのチップなんか演じてますね。あとは、「機動戦士ガンダムΖΖ」のマシュマー・セロ役や、洋画の吹き替えを多数演じていますね。
低いながらも、よく通る声で、チョイ悪オヤジ的な声がピッタリな印象ですね。
高橋和枝賞。
戸田恵子が受賞しました。
今や「女優」としてのイメージが強い戸田ですが、売れないアイドル演歌歌手から転身し、その名をしらしめたのは声優業が最初です。
やはり、「それいけ!アンパンマン」のアンパンマン役が一番の代表作でしょうか。「機関車トーマス」のトーマス役、「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎役(3代目)など、キッズ向け作品への出演が多いイメージがあります。ただ、「機動戦士ガンダム」のマチルダ・アジャン役、「キャッツ・アイ」の来生瞳役など、大人のセクシーな女性なんかもかなり演じています。特にマチルダは綺麗なお姉さんの代名詞的な存在だと思っています。
女優業も良いですが、やはり声優業の戸田恵子をもっと見たいと思います。
キッズファミリー賞。
大谷育江が受賞しました。
大谷の代名詞と言えばやはり、「ポケットモンスターシリーズ」のピカチュウ役でしょう。ピカチュウの声は、世界共通で大谷が演じており、世界中の子どもたちに知られている存在と言うことになります。
他にも、「名探偵コナン」の円谷光彦役、「ONE PIECE」のトニー・チョッパー役など、キッズ向け作品に出演しています。人外の役と、男の子の役が多いのが特徴ですね。
最多得票賞。
今回から新設された賞。「一般投票で賞のカテゴリーを問わず、最も多くの票数を集めた方(各カテゴリーを合算)」(公式サイトより引用)が対象だそうです。
栄えある第1回の受賞者は神谷浩史でした。
神谷は新房アニメの代名詞とも言える存在。新房作品に多数主演し、高い演技力と表現力で作品に貢献しています。「偽物語」など、OPのスタッフロールに「阿良々木暦 神谷浩史」と演者と言うよりも、スタッフ的な存在としてクレジットされています。
新房作品だけでなく、「WORKING!!」の相馬和臣役、「夏目友人帳」の夏目貴志役、「Angel Beats!」の音無結弦役など、近年では主役を多数演じており、男女問わず高い人気を持つ声優だと思います。まさに最多得票にふさわしい存在です。
声優アワード特別賞。
川上とも子が受賞しました。
2011年、若くして亡くなってしまい衝撃を受けた人も多いのではないかと思います。「AIR」で神尾美鈴役を演じていたことで有名ですね。
「少女革命ウテナ」の天上ウテナ役、「天使になるもんっ!」のノエル役など、私が声優に興味を持ち始めるころとほぼ同年代から活躍を始めた方なので、本当に残念でなりません。改めて、ご冥福をお祈りいたしたいと思います。
シナジー賞、海外ファン賞については、割愛させていただきます。
長くなりましたが、以上が第6回声優アワードに関する私見です。今後の声優界が、ますます賑わっていくことを祈りつつ、今回はこの辺で。