郵便不正事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)の第17回公判が14日、大阪地裁(横田信之裁判長)であり、当時の部下らを取り調べた牧野善憲副検事(42)が出廷した。「障害者自立支援法のため野党議員に配慮する必要があった」とする部下の供述調書について、牧野副検事は「当時は法案はなかったかもしれない。私の方から水を向けた」と述べ、動機を調べる経緯で誘導があったことを事実上、認めた。

 牧野副検事は当時の社会参加推進室長(59)らの取り調べを担当。弁護側は「04年4月当時、法案提出に向けて動いていたが、野党が反対していた」とする室長らの供述調書を明らかにしたうえで、「法案は当時あったのか、室長が自分で言い出したのか」と質問。これに対して、牧野副検事は「法案を通すための下地という意味だった」と述べ、事実上存在しなかったことを認めた。さらに提出に向けた当時の動きを裏付ける資料がなかったことも明らかにした。

 大阪地検特捜部は捜査段階で、同法成立を目的にした野党議員への配慮が事件の背景にあったとみて調べていた。しかし、同法成立は05年10月で、これまでの公判で、室長が「法案について聞かれ、『知らない』と答えたがつなぎあわされた」と調書の内容を否定。他の職員も「04年当時は法案はなかった」と一様に否定していた。【日野行介】

【関連ニュース】
郵便不正事件:大阪地裁が上村被告弁護人の証人申請却下
郵便不正事件:副検事が出廷、信用性を主張…大阪地裁
郵便不正:元局長の部下が出廷 「記憶にない」と証言
郵便不正:障害者団体の元幹部、起訴内容認める
障害者郵便割引不正:厚労元係長側の証人申請を却下--公判

火災 強風で8棟焼き延焼中 札幌(毎日新聞)
<収賄>家具厚生年金基金元理事ら逮捕 業者から700万円(毎日新聞)
「教習所行ったが…」20年無免許運転の男逮捕(読売新聞)
より使いやすい家電へ 音声機能 視覚障害者らをお助け(産経新聞)
消費税論争勃発 民主執行部のバラマキ路線牽制(産経新聞)