堤真一さんで2005年に映画化されてます
元々抱いていた主人公・中禅寺秋彦のイメージとは違ったけど、堤京極堂もなかなか悪くはなかったです。
難を言えば、関口はもっと、もそもそっとした人がよかったなぁとか、榎津はもっと線の細い感じがよかったなぁとかありましたけど
あ、漫画化されていて、2冊目の「魍魎の匣」まで本屋で平積みされているのを見た記憶があります。
時代は戦後ちょっとというくらいだったと思います
そんな混沌とした時代、(あまり売れない)小説家・関口巽は雑誌の記事のネタとして「20ヶ月子供を身籠る女性」を取材しに行きます。
関口は古くからの友人である古本屋を営む秋彦(京極堂は屋号)を訪れ、弁の立つ秋彦なら謎を解き明かすことができないかと自分の取材のネタを話します。
秋彦は本を読んでいたいので、シリーズ通して、できるだけ事件に関わる気がないのですが、巻き込まれ型で能力オーバーになると失語症に陥る関口が事件に巻き込まれたり、お祭り騒ぎが好きな貴族のお坊ちゃんで自称・神の榎津(他人の記憶が視えてしまうのでこれも引っ掻き回す一因)に引っ掻き回されて、事件に関わっていき、最後は得意の弁舌で人の心に巣食う負の感情を祓います
この時の秋彦は語る語る理屈で相手を丸裸にして、戦意喪失させます
この「姑獲鳥の夏」では、旦那が失踪した部屋で20ヶ月子供を身籠る女性とか周囲で起こる赤ん坊失踪事件とか複数の事件が一つの幕引きに向かって進んで行きます。
悪意と欺瞞に満ちた事件なので解決しても悲しさが残るのですが、結末が気になり意外に一気に読めます
ラストは古本屋であり神社の神主の他に“拝み屋”として憑き物落としを行う秋彦が事件に決着つけるために黒の着流しに着替えて、出動です
妖怪とか陰陽道等のダークな感じが好きな人なら結構ハマるのでないでしょうか
オチはさすがにここには書かない方がいいと思うオチだったので書きませんが、「言われてみればそうよねぇ」と秋彦が「この世には不思議なことなど何もない」というのにも頷けます
(周囲では「そのオチはどうよ?」という声もありましたが)
余談ですが、私は読みながら勝手に秋彦を「HELLO」のときのhydeのイメージで読んでました
黒が似合って、気難しそうで、クールなイメージです。
・・・まぁ、中毒者の戯言ですから
こんなイメージ
筆者:京極夏彦
出版社:講談社(講談社ノベルス)
1994年