女性の貧血 | 髭の拝さんのブログ

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病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
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鉄欠乏性貧血は鉄分だけが足りない病ではありません。鉄分だけではなく、その他の栄養素も不足して、複合的に起きる病態と理解しなくてはいけません。(不足する栄養とは、鉄分とタンパク質、赤血球合成に関与する栄養としてビタミンA・ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE・カルシウム/マグネシウム・亜鉛などのことです。)

鉄欠乏性貧血の治療で医師からの投薬として、鉄剤とビタミンCを一定期間飲んで貧血数値は基準値内に上昇する。しかし、貯蔵鉄は満たされず、なおかつ、下に掲げる不定愁訴が消えなかった、という経験はお有りなのではないか、と思います。

治療とは何か? を考えた時、抱える愁訴が消えて、尚且、化学的検証である検査データも改善されること、その二つが実現して初めて、治療が成功したことになるのではないか、と思います。

以下は、鉄欠乏性貧血、並びに、潜在性鉄欠乏性貧血に特徴的な症状です。

精神・神経症状 『朝起きられない・何をするのも面倒くさい・イライラ・ヒステリー・神経過敏・気まぐれ・無気力・不安感・鬱っぽい・精神錯乱・不眠、など』


身体症状 『肩凝り・腰痛・その他の関節痛・頭痛・易疲労・下痢・便秘・風邪を曳き易い・脚や腕にアザが出来やすい・冷え性・眩暈・立ち眩み・膀胱炎・抜け毛が多い・口の周りの吹き出物・皮膚のかさつき、など』

上の症状のどれを取っても、症状の原因が、「鉄欠乏性貧血」だと診断される医師は(分子整合医以外に)いないと思います。

成人女性に貧血が進む理由、それは、言うまでもなく「月経」です。

それは、血液の中のヘモグロビンには大量の鉄が含まれていて、1cc(1ml)の血液中には0.5mgの鉄があると分かっています。その比率で計算すると、女性は毎月、凡そ、60cc(60ml)の血液が生理によって失われていることになります。

と云うことは、女性は毎月、60mlの出血を繰り返し、その出血によって毎月30mgの鉄を失っている、と計算できます。1日あたり1mgの鉄が失われていることになります。

一方、健康な男性の場合、鉄の収支は、毎日の(理想的な良き)食事で12mgほどが得られて、1mgが吸収されていると理解されている。そして、体内に補われる鉄、排泄される鉄、それらの損失する鉄総量が1mgであると試算されています。つまり、計算上では男性の場合、鉄は、1mgの吸収量と1mgの活用・排泄量で収支バランスが保たれているわけです。健康な男性に貧血が少ない理由です。

では、女性の場合、男性と同様に、鉄が1mgの吸収量と1mgの活用・排泄量は変わりなく、それに加えて、生理出血で一日換算では1mgの鉄が失われていて、総量2mgの鉄が損失していることになります。女性の多くが貧血になる原因です。

女性の場合、動物性の鉄を好まない・男性ほど肉は食べない・たくさん食べている筈の野菜の鉄は吸収率が13%、という状況では、鉄欠乏は進む一方です。

このことでも、男性と比べて女性には、(鉄欠乏によって)不定愁訴が遥かに多い、というのもご理解頂けるかと思います。

女性の貧血が進む原因でした。

女性は男性の2倍以上の鉄を摂らなくてはいけないのです。鉄だけではなく「タンパク質」もいっぱい食べないといけません。