税務署が個人の海外資産に対する監視を強めているというお話をしました。
今回は、国内資産についてです。国内資産でも、
税務署が重点的に申告漏れの有無を調べ始めたものがあります。
それが「金地金」の売却益です。
金地金の売却益は原則、譲渡所得として課税されますが、
会社員は確定申告の習慣がない人も多いので、
つい忘れてしまうことがあるのかもしれません。
こういった申告忘れを防ぐため、2012年1月から
「支払調書」の提出が業者に義務付けられました。
これは売却代金が200万円を超える取引は、
その売買内容を税務署に報告するという制度です。
本人の自己申告に任せずに業者に「支払調書」の提出を義務付けることで、
税務署は正しく譲渡所得を把握することができるようになりました。
また、金地金のほかに、株式の売却益も要注意です。
特定口座で『源泉徴収あり』を選択している人は自動的に税金が引かれるので問題ないのですが、一般口座や特定口座の『源泉徴収なし』を選んでいる人は、
確定申告が必要になります。
原則、年間利益が20万円以下なら申告の必要はありませんが、
20万円以上の利益が出た人や、
20万円以下の利益でも給与所得が2000万円以上の人は
確定申告をしなくてはいけません。
「利益があるわりに譲渡所得が少ない」
「損失のみを申告している」
などが発覚すると、申告漏れのペナルティーが課せられることもあります。
一般口座や、『源泉徴収なし』の特定口座は申告漏れが多いので、
税務署が念入りにデータをチェックしています。
KSK(国税総合管理)システムには法定調書などのデータが蓄積されているので、
簡単に申告漏れを見つけることができるのです。
税務署は怖いイメージもありますが、
正しく確定申告をしていれば何も問題ありません
複数種類の金融商品でも、確定申告をすることで
損益通算や繰り越し控除が可能になるものもあります
運用している資産がある方は、節税のためにも一度見直してみてはいかがでしょうか。