ニートの僕が子育てをしたら 第1章(12)後編 | ニートの僕が子育てをしたら

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皆様、こんにちは。
黄金龍星です。

さてさて、隆はマイヅル先生に声を掛けられて緊張している様子ですね。
マイヅル先生と彼がこれから何か結びついて行くのでしょうか。

楽しみですね。

それでは本編をどうぞ。

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ニートの僕が子育てをしたら 第1章 12話

後編

(前編にもどる)

「先生。例のプログラムですね。あのプログラムは最高のプログラムだから坂上さんも受講してみたら良いと思いますよ。私も受講したから自信を持ってお勧めします。本当に楽しみ。」


と彼女がマイヅル先生の方を見ながら話をすると、


「彼女が言うように、このプログラムは能力を高めることを目的としたもので一般には非公開のものです。もし、あなたがこのプログラムに興味があるのであればご紹介しますよ。」


そんなマイヅル先生の突然の申し出に対して、


「ぜひ、お願いします。」


と僕は迷うことなく答えた。

すると彼女が、


「じゃあ先生。例のアレを坂上さんにも飲ませてあげたら?私に紹介した時のように」


と言うと、マイヅル先生はポケットから何かケースのようなものを取り出し、


「じゃあ、これをまず飲んでみてごらん」


そう言って僕に錠剤のようなものを渡した。
僕はテーブルの上の水を手にして、一気にそれを飲み干した。


そんな僕を見ている二人はニンマリしながら、


「どうかな?実はこの錠剤は脳を強化するサプリメントで、君の中にある余計なものを取り除く効果がある。もうしばらくすると頭がぼぉっとしてくるよ」


しばらくすると、本当にマイヅル先生が言うように頭がぼおっとしてきた。

「この能力強化サプリメントと彼女も受けたことがある特別講座を受講すれば、君の現実世界はこれから大きく変化する。先程の話の中で戸惑いを感じているようだが、そんなものはすぐに消えてなくなるだろう。」


というマイズル先生の話に興奮をしたからか、体の中に熱感を感じるようになり、気が高ぶってきた。すると三上さんが、


「これは脳開発サプリメントなの。私の場合は飲んですぐにお腹が熱くなり、しばらくすると頭がスッキリして目の前の景色が鮮やかに感じたわ。あ、そうそう・・・その時の私を見た友人がこんなことを言っていたわ」


という彼女の話に僕が、


「何を言われたのですか?」


と聞くと彼女はニッコリして、

「なんか表情が明るくなり、それまできつい顔だったのがパァッと柔らかい雰囲気を私から感じるようになったって言っていましたよ」


と答えてくれた。
そんな彼女の話に僕は、


「凄いですね。そういうものが世の中にはあるんですね。」


と言うと、


「確かに不思議な感じがすると思うかもしれないけど。でも君ならもう理解できるはずだよ。この世界にも随分馴染んでいるようだしね。すべては脳の世界の話で、一昔前は、心理学とか哲学などで説明をされていたことが、今では脳の世界で説明することができるようになってきたからね。

昔は不思議な話として考えられたことが、今では随分解明されてきている。この世の中には僕達が知らないだけで、不思議なものなんて実際には存在しない。

でも人は無知ゆえに自分自身が理解できないものを不思議なものというように片付けてしまいがちだ。人間は未知なことに関しては恐怖を覚えるようにできている。

中世ヨーロッパの魔女狩りという悪しきできごとは、未知ゆえの愚行だったことを歴史が証明しているよね。未知の中にこそ真理がふくまれていることを私達はもっと知るべきだ。」


マイズル先生の話のすべてを理解することはできなかったが、なんとなく言わんとすることは僕にも伝わった。


さっきのサプリメントは一体どんな効果を僕にもたらしてくれるのだろう。
そんなことを考えていると、

「どうだね。プログラムに参加してみる気はあるかね。君はここで変らないとこれから先の現実世界の人生は惨めなままだと思う。余計なことかもしれないが・・・せっかくこのバーチャル・パレンツの世界を知った訳だから、このチャンスに掛けてみてはどうかな。」


マイヅル先生が真剣な目で僕に言った。


「わかりました。宜しくお願いいたします。このままの人生では自分自身も納得ができません。このチャンスに掛けてみます。」


と僕が答えると・・・三上さんが、

「やった。坂上さんなら絶対に、この話に乗ると思ったわ。だって乗らない方が馬鹿だもん。私もがんばろう。仲間がいるとなんか気持ちに張りがでますよね。マイヅル先生」

と、とても嬉しそうな顔で喜んでいた。


「じゃあ、詳しい説明は次回の講義の後にでもしましょうか。君はご両親には、この世界のことについての話はしているのですか?」


そんなマイヅル先生の言葉に、

「いいえ。一切話していません。まず、理解できるような親ではありませんから。ここ数年、まともに会話もしていませんしね。でも、いつか僕がまともな大人になった時に話ができたらと考えています」


と答えると、

「そうか・・・そうでもないと思いますけどね。でも早くその日が来ると良いですね。楽しみにしていますけど」


マイヅル先生は何かを知っているのだろうか。
一瞬、不思議に思ったがその時の僕にはそれ以上の何かが浮かんでこなかった。


僕はマイヅル先生と三上さんと別れたあと、岬を迎えに行った。

(13話に続く)

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