どらねこさんのブログを読んでて思った話です。

 専門家は危険なモノを知っている?
 http://d.hatena.ne.jp/doramao/20130124/1359006655

 農業の専門家たる農家のおっさんが「農家はよそに売るための野菜には農薬を使うけど、自分ちで食べるための野菜には農薬は使わないんだよ」とまことしやかに語るのは、おもに美味しんぼ界隈で見られるお話ですが、一般的に言ってそれはです。
 どらねこさんのブログでもその理由はいくつも示されていますが、さらに付け加えれば専業農家が生産する作物においては「自家消費用の農産物」をわざわざ作ることが少ないからです。野菜も米も、出荷できない規格外品が余る程あり、自家用どころか親戚や友達に分けることもできるほどです。
 ただ例えば米農家が倉庫の離れでちょっとだけジャガイモを作って自家消費するとかそういうことはありますが、そういうのは出荷されませんから「販売用と自家消費用で農薬を使い分ける」ということはありません。

 ただそういう話は、だいたい嘘と言ってもいいのですが、ありえないとか絶対無いとか言うほどでもなく、実際にはそういうことをしている人もいることはいます。それは小規模で趣味的に農業を行う兼業農家の一部であったり、あるいはもともとそういう思想を持って農業を始めたような人は探せばどこかにいると思います。

 一般的には非常識な話を言う人も探せばいるというのは、まあ極端な話ですが、例えば福島県産で普通に流通に乗っている食べ物を毒呼ばわりする大学教授とか、体温を上げるように頑張ればそれだけでガンが治るという医学博士とか、東日本大震災はアメリカの地震兵器の仕業だという政治家だっていることはいます。
 そういった話をする人の数だとか、信憑性や根拠なんかを求めていくとそれはほとんど無視されるべきレベルのものですが、探し出して取り上げてさえしまえばほかの根拠も信憑性もある話と同列に並べて紹介することも可能です。そういう事をやっている人やメディアがたくさんあるという話です。

 なので、そういうものを見分けられる目を持ちたいし、分かっている事については伝えてみたいとも思ってはいるのですが、どうもトンデモ側の勢いの方が強くて、どうしたらいいんでしょうかねえ。むこうは商売になるからなあ。