菌と農大マンガ「もやしもん」で、なぜか食料自給率のことをやっていました。紅茶シリーズが始まったんじゃなかったのか。
 で、まだ問題提起?したばっかりなんですが、先手を取って書いてみる。


 漫画では遥さんが「米は自給率100%、海産物も70%越えてる。日本のカロリーベース食料自給率40%なんて実はそう意味無いのよ」と言っています。それは何故か。
 その前にそうえもんただやすは「出荷調整で踏み潰してるキャベツを市場に出したら自給率向上になるか?」と言ってますが、ほとんどならないです。仮にそのキャベツをみんな食べたとしても、キャベツにはほとんどカロリーが無いから数値を押し上げない。日本のカロリーベース自給率が低いのは、高カロリーな食べ物、要するに肉やそれに付随する乳製品、卵、それと油なんかをほとんど自給できていないから、そっちに引っ張られているわけです。高価格銘柄・分野に振り回される日経平均と同じです。


 実態としてはどうだとなると、麦・大豆・トウモロコシの自給率が低いってことにまとまります。つまり家畜の餌です。国産和牛であっても和豚であっても和鶏であっても餌は外国産だから、自給率に貢献しないわけです。


 てな話を聞いて、じゃあ結局は肉食わなきゃいいだけじゃんHaHaHa!って思ったら大間違いです。理由は以下。


 まず単純に、肉食わなきゃいいだけって言っても今さら肉食わないでいいのか?て事。


 次に、麦・大豆を使って生産している食べ物は肉だけではありません。麺?と言うのはまだ甘い。重要なものを挙げると、味噌、醤油です。いくら野菜や魚の自給率が低くないとはいえ、醤油無しで食えるか。


 あと、要するに肉を作る原料が自給できてないから肉の自給率が低いんだって話ですが、じゃあ自給率が高いとされている米や野菜の原料は本当に自給できているのか出来てません。3大肥料要素NPKのうちまともに自給できそうなのはチッソだけです。農薬もほぼダメです。ほとんど石油原料です。石油自給率4%。有機農法?米高くなりますね~。あと今どき、有機肥料作るのにも石油必要です。塩とか砂糖作るときもいるな。調味料、全くダメですね。
 もっともこういう話のとき、石油を云々するのはおかしい気もしますが・・・というわけで石油の話を省いても、リンは決定的に、輸入に頼っています。


 最後に、自給率は今後とも持続していけるのか。その問題に立ちはだかるのは、農業人口の平均年齢は60歳を大きく超えてると言う恐ろしい事実です。農業の労働力は今後生物学的理由で減少していきます


 というわけで40%と言う数字だけにこだわると「低いと言うことに意味は無い」自給率ですが、それにしたってやっぱり問題じゃね?と私は思うんですが、さてもやしもんはどう展開していくかな?「実は自給率は低くなんか無いのよ」とかでは終わらせないとは思うんですが。