こんな大事なニュースを見落としていたとは・・・
 食品安全情報blogより



■[FSA]オーガニックについてのレビュー発表
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20090730#p6


Organic review published

Wednesday 29 July 2009

http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/jul/organic


FSAの委託した独立したレビューの結果、オーガニック食品と通常食品の間には栄養素の含量や何らかの健康影響について大きな違いはないことが示された。


このレビューは特に栄養価について集中的に評価した。


FSAの消費者の選択と健康的な食生活部門の長であるGill Fineは、「人々が正確な情報を得ることを確保することが、我々が食べる食品を情報を与えられた上で選択するを可能にするには必須である。この研究は人々がオーガニック食品を食べるべきではないことを意味するわけではない。この研究が示しているのは、オーガニック食品と通常の食品に、仮に僅かな栄養価の違いがあるとしても、オーガニック食品を食べることによる健康上のメリットがあるという証拠はない、ということである。」と述べている。


「FSAは消費者の選択を支持し、オーガニック食品に対して賛成でも反対でもない。人々がオーガニック食品を選ぶ理由は動物の福祉や環境への懸念など様々であろう。FSAは消費者に最良の科学に基づく正しい情報を提供し続ける。」


この論文の筆頭著者でLSHTMの栄養と公衆衛生介入研究ユニットのDangour博士は以下のように述べている。「オーガニック作物や家畜と通常生産されたものの間には僅かな栄養素の含量の差があるが、それらは公衆衛生上意味がない。我々のレビューは栄養価が優れているという理由でオーガニック食品を選ぶことには根拠がないということを示す。」



 実はオーガニック食品は美味しい、と言う主張に関しても調査は存在します。で、有機栽培の農産物と慣行栽培のそれでの味には、私の知る限り、有意差があるとした調査結果は存在しません。
 そもそも無農薬で虫害のない農産物は、「虫害のないものを選んでいる」と言う時点ですでにバイアスだと思うので、そういうものと慣行栽培の農産物を比べるのはフェアではない気がします。調査対象としてどういうものをサンプリングしているかは知らないんですが、お互い「普通の」物を選べば無農薬のほうがむしろまずいという調査結果が出ても妥当に思えます。


 余談ですが、有機栽培の野菜のほうが美味しいと主張する市民派研究者たちの常套手段は、スーパーで買った慣行栽培の野菜と、畑から採ってきたばかりの有機野菜を食べ比べると言うもので、鮮度の違いは味に大きく影響しますので、こういうやり方ならもちろん有機のほうが美味しく感じるでしょう。ただしそれなら慣行の野菜だって採れたてを食べないとフェアでないのはいうまでもありません。


 今回の、栄養分に有意差はないとする調査結果は、知っている人にとっては衝撃的でもなんでもない話ですし、むしろ「ああやっぱり」と言うだけですが、受け入れられない人はやっぱりいるようで、そんなもの捏造に決まっているとか企業側の陰謀だとかいう人はすでにいるそうです。
 「安心できる」と言う効用については、否定はしません。安全とは別で、と言う意味ですが。それに加えて、安心できるのも農薬の害に関する「誤解」が元であって、本来は無用な不安ですし、できれば撲滅されるべきとは思いますが。


 まっ本人達が損するだけならいいんですが(有機食品はたいてい高価です)、他人を不安がらせて商売にするのは良くないですよ。特に化が・・・(以下略