「産科医療のこれから」 様で読んだ記事です。



暴力・嫌がらせ、悪質な患者診療拒否…香川県立3病院
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20081109-OYO1T00262.htm?from=main1


 医師や看護師らに暴力や嫌がらせをする患者対策として、香川県は県立の3病院で悪質な場合は診療を拒否する方針で臨むことを決めた。「診療の妨害になる」という医療現場からの声を受け、2009年度中に運用するマニュアルに盛り込む。厚生労働省は「医師の権利を保障する自主的な取り組みとして注目したい」としているが、専門家の間では患者側の権利を制限するとの指摘もあり、今後、議論を呼びそうだ。


 全日本病院協会(東京)の調査では昨年、全国の576病院で6882件の医師らへの暴力や脅し、セクハラ行為などが確認された。香川県の県立3病院でも今年4月以降、91件発生。入院中の妻のふとんがずれていることに怒った夫が「家を探して殺すぞ」と看護師を脅したり、必要のない検査を断られた男性患者がいすを医師にぶつけたりしたケースがあった。


 3病院では、医師らが身の危険を感じた場合は警備員を呼んで対応。収まらなければ、110番しており、年数回、警察へ通報するトラブルが起きているという。


 県立中央病院(高松市)の大林正孝事務局長は「特定の患者を見るだけで恐怖心を抱き、精神的に参っている看護師もいる」と実情を訴える。


 県医務国保課のマニュアルの試案では、不必要な治療の医師への強要▽セクハラ行為▽脅迫行為――などを禁止行為と定め、患者が従わない場合は、診療拒否できることを明示。患者側からの悪質な要求には、複数の職員で対応し、刑事告訴や民事訴訟に備えて記録を残すことなども記す。


 医師法は「医師は正当な事由がなければ診察・治療の求めを拒んではならない」と規定しており、県は同法との兼ね合いや、どの程度の暴力などに対して診療を拒否するのかなどを医師や弁護士らでつくる県医療安全推進協議会で意見を聞き、細部を詰める。


 県医務国保課は「迷惑行為を放置すれば、診療がストップし、他の患者の診療に支障がでる。医師や看護師不足に歯止めをかけるためにも最低限の決まり事は必要だ」と強調する。



 医療問題に詳しい作家で医学博士の米山公啓さんの話「日本の病院はリスク管理が遅れており、医師の権利を守るため、本来はトラブル対策の専門家を置くことが望ましい。しかし、医師らに迷惑をかける患者が横行している現状では、現場が混乱しないようルールをつくるのはやむを得ない」


 NPO法人「患者のための医療ネット」(東京)代表理事の藤田康幸弁護士の話「患者は精神的に不安定なのが当たり前で、医師よりも圧倒的に立場が弱い。振る舞いや言動だけで画一的に診療拒否されれば、受診する権利を侵害しかねない。患者の意見を聞いて慎重に判断すべきだ」


(2008年11月9日 読売新聞)




 いきなりですが、「患者側の権利を制限するとの指摘」をする専門家って何の専門家なんでしょう??記事の末尾についている、NPO法人「患者のための医療ネット」の代表の人は、専門家といっていいのでしょうか。まあ農業業界にも、化学物質の被害を声高に訴える「大学教授(経営学部)」の専門家なんてのもいますから、「ああ、そういうものね」と理解することはできますが。


 医師や看護士を殴ったり椅子を投げ飛ばしたりするような患者の権利を尊重するべきとは、個人的には全くそう思えません。正確には、そういうことをしない患者の方がより尊重されるべきだということでしょうか。

 まあ実際に診療拒否する時は、暴言を吐かれたり殴られたり椅子を投げつけられたりされた後に追い出すことになり、ついでにその人の名前がブラックリストに載るなりするのでしょうから、受診する権利がそれほどに侵害されることはないでしょうね。こういう酷いモンスターペイシェントだって、一応受診はできているのだから椅子を投げられるわけで。
 患者さんは精神的に不安定だから、と言う理由で医療関係者が耐えている事柄は元々かなりあるんだと思いますが、それにしても行き過ぎと思うものについて排除したいって取り組みを否定するのはどうよと、誰でも理解してくれると思いますけどねえ。こういうのは、まず「画一的」にはならないと思いますよ。そもそも


 県医務国保課は「迷惑行為を放置すれば、診療がストップし、他の患者の診療に支障がでる。医師や看護師不足に歯止めをかけるためにも最低限の決まり事は必要だ」と強調する。


と言ってるわけで、無法な患者を追い出すことで良識ある一般の患者の権利はむしろ手厚くなるんですからね。


 こういう話に追随する医療機関が出るといいな。

koume