工業米転用事件において、いわゆる事故米は、MA米のうち残留農薬基準に適さないもの、あるいは輸送中や保管中に痛んだものが転用されたといわれています。


 ここで余談ですが、MA米とはミニマム・アクセス米の略です。これはWTO交渉の末に日本が毎年最低限輸入しなければならなくなった米のことで、年間80トン80万トン弱あります。これは、国内のコメが足りなかろうが、豊作で余ろうがなんだろうが輸入されます。今のところ国産のコメは余りがちで、個人的には輸入など無駄としか思えませんが、国策のことですから工業品輸出のバーターなどの条件付けもあろうことですし個人で批判してどうこうすることはできません。ある意味、今回の騒ぎの遠因は御手洗富士夫あたりにあった・・・とか言ってしまうのは穿ちすぎでしょうね。
 MA米・・・に限らず海外米はその低価格が何よりの売りですが、しかししばらく前に話題になったとおり海外市場での穀物価格は暴騰しています。というわけでMA米だって値上がりしていて、国内の業者にはMA米を使うメリットが小さくなり、最近はなかなか取引にならないといった事情も聞かれます。


 さて、痛んだコメなど食用にはならないので工業用に激安価格で(キロ当たり10円・・・1トンでも1万円。ちなみに普通の食用米は業者価格で1トン30万円ほど)払い卸されると説明されていますが、その工業用の用途にはよく糊などと言われています。が、糊「など」の「など」、つまり糊以外の用途に関してはあまり例示されていません。完全に100%が糊に行ってるとは考えづらいので「など」とつけてごまかしていますが、実は私も知りません(^^;


 が、私はいつも不思議でしょうがなく思っていることがあるんですが、何でそんな激安米をバイオエタノールの原料に使わないんでしょうか


 確か去年あたりですが、エネルギー用米として新潟県は超多収量のコメ品種を開発し、これでもってキロ当たり23円で作ればバイオ燃料としてペイできるとか放言しましたが、国産米でキロ23円はいかなる多収品種でも不可能です。国に補助金を求める策もあるようですが、だったらそんな迂遠なことなどせずに商品価格に転嫁したほうがいいというのが私の考えです。
 んが、MA米をこちらに流して、予算をつけて研究なりなんなりすればもっと話は単純です。まあ事故米はともかく、事故でないMA米は23円より高いのですが、それでも国内の農家に補助金をやって23円のコメを作らせるよりは安くつくはずです。


 工業用米の需要はきっと山ほどありますよ。


koume