最近、農業関係への施策は結構多いんですが、どれもこれも泥縄的でほとんど興味が湧きません。



東奥日報 2007年11月13日(火)
飼料米への転作で奨励金 農水省、補正で要求へ


 農水省は13日、食用米の生産調整に協力し、飼料米など食用以外のコメに転作する農家を対象に、新しい奨励金制度を設ける方針を固めた。供給過剰に陥っている食用米の生産調整を着実に実施するのが狙いで、本年度の補正予算で要求する方針だ。


 2007年産米の作付面積が31府県で計画より過剰となり、06年産米の28府県を上回った。このため余剰米が23万トンに上り、米価が大幅に下落。政府は米価対策の第1弾として34万トンの備蓄米を買い取ることを決めたが、飼料米への転作奨励金はこれに次ぐ措置となる。


 現行の奨励金は麦や大豆への転作が中心だが、農水省は今後、飼料向けやバイオ燃料の原料向けなど食用以外のコメにも軸足を置く方針。「食用も飼料用も水田でつくるため、麦などが育ちにくい地域でも転作しやすい。需要も高い」(同省幹部)との判断による。



 先日の日経新聞で、飼料米を与えて飼育した牛、豚、鶏卵などをブランド化しているという記事がありました。牛では稲わらも有効利用できるとありましたが、これは別に今でもできる。自給率の観点から見れば、国産飼料米の利用は輸入飼料を減らすことになるので良いことと思います。でも飼料米を生産している農家から見れば、コスト面でどうか?だね。


 飼料米の価格は60kgで1,800円ほど。食用米の平均が12,000円ぐらいで、飼料米はものすごく安いです。これでも輸入飼料より割高だそうです。飼料米の品種は多収量とはいえ、10アールで700kgぐらい。コシヒカリなどの食用米は大体500kgぐらいです。超が付くほどの多収量の品種でも頑張って800kgぐらいなので、食用米の収量の2倍にもならないんですよねー。これで価格は6分の1ですか。えーと、3人で経営するとして、手間暇は最低限で、んでどれだけ作れば月収10万いくんだろ(笑)←黒字自体が夢物語


 まあ飼料米に補助金をつけようってならすればいいですよ。けどねぇ。


 まず、飼料米を本当に作らせたいなら、普通米よりも飼料米を作ったほうが得になるほどの補助金をつけないと駄目でしょ。補助金は一応つけたが、依然として大赤字、な水準だったら誰もそんなものに手を出しませんよ。まあ実際には、そんな水準のものを「押し付ける」から出来てるんですけど。農家の悲鳴を無視してね。

 というわけで飼料米には60kgあたり1万円の補助金・・・って無理に決まってるわな。


 そして飼料米って、本当に飼料に使われる確約があるのでしょか?おせんべとかに使う名目の多用途米ってのがすでにありますが、またまたこちらもすごく安いですが、それをおせんべや味噌など本来の用途には使わずに激安食用米として流してるという噂もちらほら・・・くず米なんかを混ぜてるところもあるし、ライズや日本ライスあたりは確実にやりますよ。一段の米安に突っ走るわけで。
 それはそれで取り締まる・・・のはもちろんですが、なんかJA単位でそんなことやってるのもいる、って噂もあるしなぁ。

 なんかなー。泥縄で問題の目を外に向けさせるような作戦はもうやめようよ。


koume



 ※飼料イネとは (農水省のページ)