介護保険制度は何処に向かうのか。 | 紺碧の、活力ある伝承物

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今日は同業者団体主催の研修でした。


今回は当団体の本部のトップを招き、間もなく改定される介護保険制度の概要に関する講義。


その内容は多岐にわたるもので、これからしっかりと精査していかなければなりませんが、


いずれにしてもかなり厳しいものとなることは確かです。


特に訪問介護、通所介護(デイサービス)事業所にとっては、事実上の報酬ダウンダウン


相当な経営努力、営業努力が必須となるでしょう。



それにしてもいつも思うことですが、この介護保険制度というもの、


都市部の状況にばかり念頭を置いている嫌いがある。


「巡回型」だの「24時間」だのといった文言が今回もクローズアップされておりますが、


私の活動拠点のような山の中の地域に、果たしてそれがどれほどマッチすると思っているのでしょうかはてなマーク


次の訪問先への移動に30分もかかるような地域に。


もし実際にそれをやったとして、果たして運営が成り立つと思いますかはてなマーク



この岡山県内だけでも、県南部と県北部の状況はかなり異なります。


私の活動拠点の地域は、ちょっと山の中に入ると携帯がつながらなくなります。


川沿いを通る、対向車とすれ違うことすらできないほどの狭い道。しかもガードレールなし。


コンビニなし。銀行なし。入院のできる医療機関もなし。JRの駅もなし。



研修などで県南の事業所の人と話をする度に、驚かれます。


そのあまりの地域格差、社会資源の質量の違いというものに。


もう少し地方の、あえて言えば僻地の状況にも目を向けるようにしていかないと、


今後この地域格差はさらに拡がる一方なのではないでしょうか。



そして私の仕事である居宅介護支援については、


今回の改定において、これまで以上に各職種、特に医療との連携が問われます。


利用者を取り巻くさまざまな人たち、援助者、サービス事業所、医療機関などなど、


それぞれがそれぞれの立場で、有機的にその方の暮らしを支えていけるようなマネジメント能力、


アセスメント能力が必要となるのです。



もちろんこれは、私たち介護支援専門員だけでできるものではありません。


特にサービス事業所においては、相当な意識改革が求められます。


些細なことでもいちいちこちらに連絡してきて指示を仰いだり、


自らの口できちんと伝えるべきことをこちらに代弁させようとするような、そんな伝言ゲームはもう通じない。


それは「連携」ではなく、単なる丸投げ。誤解を恐れずあえて言えば、責任の放棄でしかありませんから。



かなり厳しいものとなる、今回の改定。


しかし正直なところ、私自身は特に動じるものはありません。


何故ならば、


「今、この利用者さんに必要なものは何なのか」


「どうすれば、この方の生活状況を少しでもよくすることができるのか」


「ご本人がご本人らしく暮らしていけるようにするには、どのように援助していけばよいのか」


・・・という、この仕事における最も基本的な理念である「利用者本位」を忘れさえしなければ、


大きな間違いを犯すことはないからです。


もちろん制度を正しく理解し、そこから逸脱しないようにしなければならないことは言うまでもありませんが。



私はこれからも、動じず、踊らされず、超然と、ただやるべきことをやるだけ。


それが私のスタイルですから。


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