四季報で見たベリトランス | 作業日誌

四季報で見たベリトランス

☆新しい四季報が発売されたので、3749ベリトランスのページを検討してみました。

 「主力の電子商取引業者向け決済処理サービスは、利用店舗数拡大で処理件数が増加の一途」との記述通り、売り上げ高の伸び率の高さが眼に付いた。創業から一貫して増収基調を貫いていることは高く評価出来るし、EC向け決済サービス市場の成長も会社にとっては大きな順風となっているのだろう。この点は親会社のファイナンス・オールの記事にも、特記されており、オンライン取引きにおける決済手段の重要性と事業の成長性に高い期待が寄せられていることが分かる。

 税負担の発生などにより、最終利益の伸び方が鈍いのが玉に瑕だが、「カード決済に加えコンビニ決済、銀行振込など決算手段の多様化」が進んでいることで、新たな収益源が増える展開に期待したい。四季報に記載の利益に関する数値は、前号に比べ、多くの項目が上方修正されているが、最近出て来たオールアバウトやモバオクなど最新の材料は予想には織り込まれていないと思われるため、再度の上方修正も期待できそうである。

 VCの売りの影響で、大株主の構成にも変化が見られる。以前第3位株主に名を連ねていた、ソフトベン2号投資事業組合の名前が消え、代わりに大証金やいちよし証券、個人投資家や松井証券一般信用口の名前などが加わっている。VCの大量売りがなされた時のことを思い出してみると、ザラバで2000株超の膨大な出来高を発生させていたことから、持ち株は単に市場にばらまかれていたのではなく、上記の大証金などがあらかじめ受け皿として機能していたことも考えられ、この点は投資家に安心材料と見なされるだろう。

 特筆すべきは、投信が新たに株主として加わっていることだ。株主名簿には日本マスター信託口が176株(0.3%)と記載されている。いまだ打診買いの規模であり、比率としては僅少に過ぎないが、投信の場合は買い方針が維持されれば、継続して購入することが多く、今後の需給動向からも眼が離せない。

 他では、ROEは11.0%と低下しているが、キャッシュフローは大きく伸びている。特に売り上げ高と営業キャッシュフローの増加は、現金収入が堅調に流入していることを示しており、経営に安定感を与えている。有利子負債は0で、期初繰損9420万円は05年の期間利益で解消予定である。

『会社四季報2005年3集夏号』